茅ヶ崎市美術館で開館20周年記念-版の美III-「現代版画の可能性」を開催

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開館20周年を迎えた茅ヶ崎市美術館では、本年度は「版の美 -板にのせられたメッセージ」と題し、木版画の魅力をシリーズでお伝えしています。

シリーズ第3弾は、戦後〜現代に制作された約200点をご紹介

絵師、彫師、摺師などの分担作業によって制作されていた江戸・明治期の浮世絵版画。その後、欧米からの刺激を受けつつ「自画、自刻、自摺」を合言葉に作家自身が制作の全作業を行う個の表現性を重視し、明治末期から大正期にかけ版画の芸術作品としての位置を確固たるものとした「創作版画」。そして、更なる版画の可能性を追求しつづける現代の表現者たち。シリーズ第3弾となる本展は、茅ヶ崎市美術館が所蔵する版画作品のうち戦後から現代に至るまで制作された木版画を中心に約200点が紹介されます。

童画家であった武井武雄が主宰し、約20年間続いた版画による年賀状交換をしたグループ「榛(はん)の会」や、日本版画会の創立に貢献し版画による色面表現を探求し続けた馬渕聖(まぶちとおる)、木口木版画家であり文筆など多方面で才能を発揮する柄澤齊(からさわひとし)を取り上げ、それぞれの作家が魅せる木版画の可能性を探る展覧会です。

  • 柄澤齊 《ZIPANGU 日本の昔話による10のカリカチュア 10 かぐや姫》

  • 柄澤齊 《ZIPANGU 日本の昔話による10のカリカチュア 9 浦島太郎》

  • 馬渕聖 《無花果》

特別展示は、注目の若手アーティスト・小野耕石の作品を展開

また特別展示として、版画(シルクスクリーン)の手法を用いながら、立体的な作品を生み出し注目を集める若手アーティスト小野耕石の作品を展開。5メートルを超える大作《波絵》をはじめ、版画の概念を覆しながら、立体作品、インスタレーションと表現世界を自在に広げていく小野の作品が紹介されます。

【小野耕石プロフィール】
1979(昭和54)年、岡山県倉敷市生まれ。2004年東京造形大学絵画専攻版表現コース卒業。2006年東京藝術大学修士課程油画専攻版画科修了。町田市立国際版画美術館、ティコティン日本美術館、岡山県立美術館、吹上美術館、京都市美術館、高松市美術館に作品が収蔵されている。

  • 小野耕石 《Hundred Layers of Colors》 撮影:長塚秀人

  • 小野耕石 《波絵 Namie》 (c) 小野耕石・Tokyo Publishing House

会期中には、ワークショップやアーティストトークなど関連イベントも開催されます。作家たちが探り続ける版画の可能性を垣間見に、茅ヶ崎市美術館へ足を運んでみませんか。

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