面白いことが起こるに違いない‘‘実験の場”。 コワーキング&ライブラリー「Cの辺り」

茅ヶ崎サザンビーチ近くにある「Cの辺り」。海側から見るとカフェのような雰囲気ですが、ここは会員制のコワーキングスペースと誰でも利用できるライブラリーです。

「今日はお天気がいいですね~!」そう優しい笑顔で迎えてくれたのは、オーナーの池田一彦さんと美砂子さん。店内から外を眺めるとキラキラと海が輝き、サーファーや愛犬とのお散歩を楽しむ人たちの姿が。無条件で「素敵な場所だ!」と思える空間に心から癒されてしまいます。コワーキングスペースとライブラリーだけにとどまらない、Cの辺りの魅力を探ってきました!

  • Cの辺りの室内

  • サザンCの目の前

個性的な一箱本棚がずらり

コワーキングスペースは会員制で、利用には事前に登録が必要になります。ライブラリーは無料開放されており、室内で読むことも初回登録料500円で借りることも出来るシステムです。

ライブラリーには、それぞれのオーナーが自分の興味のある本を紹介しながら貸し出すことができる「一箱本棚」と呼ばれるオーナー制のシェア本棚があります。一つ一つ個性が溢れ、眺めていると「この本棚のオーナーはどんな人なんだろう?」と思えてきてしまうほど。

そんな想いで本をめくると、1冊ずつオーナーの名刺が挟まっており、簡単な自己紹介とSNSのQRコードが。まるで“見透かされている”ような気分です。

  • 一棚本棚がずらり

  • 絵本エリア

何をやるかよりも、どうあるか

コロナウイルスの流行で今までの生活がガラリと変化し、当時広告会社のプランナーとして都内で勤務していた一彦さんは在宅ワークでの勤務となります。この変化を受け、兼ねてから構想を練っていた独立への意向も合わさり会社を退職、もともとフリーライターとして自宅で仕事していた美砂子さんとともに、2020年12月に「株式会社be」を設立します。

「実は、何をやるかは決めずに会社を立ち上げたんです。何をやるかよりも、どうあるかを考えていきたいと思って…。」そう続ける一彦さん。

当時のnoteにこう綴っています。

広告会社でプランナーの仕事を20年間やり続け、とても楽しく、やりがいもあり、すごく良い会社でした。プランナーの仕事は大好きで今も続けています。

ただ、会社で働きながら、ちょっとした疑問を持っていました。

「自分のやった仕事が、家族の幸せに本当につながっているのだろうか?」

僕は職場の仲間や環境にも恵まれて、何十億円もかけるような大型キャンペーンのプロジェクトや、大企業の社長に提案する仕事に携わることができました。それは、とてもやりがいのある仕事で、世の中を動かしたり、経済を回している感覚もありました。でも、ふと立ち止まった時に、その仕事がいったい自分や家族の幸せにどう戻ってきているのか、あまり実感が持てなかったのです。

今日やった作業が、世界を回り回って誰かの役に立ったり、自分や家族の何かにつながっていると、頭では理解しようとしても、手触りがない。

そんな違和感を持ちながら、退職して妻と二人で新しい会社をつくりました。妻はライターで、主にソーシャルデザインに関する記事をWEBや書籍で執筆しています。地域における様々な活動や、保育園や学校など子どもが育つ環境づくりの取材していて、僕も常に刺激をもらっていました。

そんな妻と会社のコンセプトを考えている時に、これまでと全く逆にしようと決めました。

「家族の幸せが一番、地域の幸せが二番、日本と世界の幸せが三番。」

株式会社としてはありえない社是ですね笑。 ― 一彦さんnoteから抜粋

 

そんな想いが今の「Cの辺り」の活動にも反映されているのです。

  • Cの辺りの外観

  • 開放的な室内

活動はすべて社会実験

「空間を作り上げる過程の情報をすべてオープンにしていたんですよ。室内はほとんどDIYで、地域のみなさんとともに作り上げたんです!」と美砂子さん。

もともとDIYが好きだった一彦さんは、出来ることは自分たちでやっていこうと決めていました。ただ、現実問題夫婦2人ではなかなか難しく、友人に連絡をしたりSNSで「床張りワークショップ」として参加者を募集したり。作業の様子やその日の成果をSNSで都度配信していたところ、サーフィン終わりで立ち寄ってくれる方や、お散歩ついでに来てくれる方などもいて、完成までの約3ヶ月間で多い時は100人以上が足を運んでくれました。

「Cの辺りは、人と人とのつながりを資産ととらえた関係資本主義実験をしていく場なんです。そう、社会実験中なんです!笑」と一彦さん。

なるほど、お話すべてが楽しそうに聞こえるのは、オーナーである2人自身が「実験」として取り巻く環境や取り組みを楽しんでいるからなんですね!

Cの辺りには「大事にしたい5つのbe(あり方)」があるとのこと。それは、「つくる」「つながる」「もちよる」「たすけられる」「おもしろがる」の5つ。

仲間たちとのDIY作業は、まさにこの5つのbeをすべて実践しています。

  • ワークショップでつくったもの

  • 取材の日もDIYをしていた一彦さん

キッズデザイン受賞!こども選挙が大成功

Cの辺りでは、誰でも参加ができるイベントやワークショップなども定期的に開催されます。隔週金曜日に行われる、食べ物や飲み物を持ち寄って気軽にお話する「ハッピーアワー」や、市議会議員がマスターとなる「まちのBAR」は、とても個性的なイベントです。オープンから1年後には、「子どもたちが選挙に投票したらどうなるんだろう?」とい素朴な疑問が話題になり、「ちがさきこども選挙」というプロジェクトが生まれました

2022年10月30日の茅ヶ崎市長選挙と同時開催で、子どもたちが実際の候補者に投票するこども選挙。15名の「こども選挙委員」を募集し、計4回にわたるワークショップを実施、街の課題をしらべたり、候補者へのインタビュー動画を作成したり、当日の投票所運営も行いました。その結果、小学生から17歳までの566人が、市内11カ所に設けられた投票所やネットを通じて投票。選挙後には投票用紙とともに寄せられた359人分のメッセージを候補者に届けました。

こども選挙は、第17回キッズデザイン賞で、最優秀賞・内閣総理大臣賞を受賞しました。多くのメディアにも取り上げられ、茅ヶ崎だけではなく全国で注目を浴びています。

「あれよあれよと話が進んでいきました。子どもたち、ボランティアの方々、みんなが主体的に頑張ってくれたんです。何度も壁にぶち当たりましたが、とにかく子どもたちのエネルギーがすごくて。みんなの力があったからこそ、成功できたと思っています」と美砂子さん。

  • こども選挙当日の様子

  • 投票する子どもたち

より身近な場所へ

幸せな働き方を探求し、自由に働き自由に生きる。人と人が出会いつながっていく。
そんな“拠点”となる場を目指しているCの辺り。

「コロナウイルス流行によって働き方が変化し、より自由な働き方が選べるようになってきました。海を見ながら作業をする時間があってもいいし、休日は海辺で普段とは違う環境で仕事と向き合ってみてもいい。ハイテクな設備が整っているわけではないし、もっと便利な場所はあるけど、ここで作業をしているといいアイデアが浮かぶんですよ~!」と言う一彦さんに対して、「仕事よりもおしゃべり止まらなくなっちゃう人もいるけどね~」なんて合いの手を入れる美砂子さん。

素敵なスペースに広がる2人の優しい雰囲気が、より癒しの空間を作っているような気がしました。

一度行くと、また行きたいとクセになってしまうCの辺り。最近は、より身近な場所になってほしいと、ふらりとコーヒーを飲みに立ち寄れる「図書館カフェ」もオープン。本を借りに、お茶を飲みに、海をゆっくりと眺めに一度訪れてみてはいかがでしょうか。

新しい発見と出会いが待っているはずです。

  • Cの辺りの日常

  • 週末に行われたガラス彫刻体験

  • 火曜日にオープンするコーヒースタンド

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