全国のコーヒーラバー必見! 家族の歴史と愛情が香る「五右衛門風呂焙煎所」~Roast place by the 7325 coffee~

世界中の人々に愛されているコーヒー。コーヒー豆の産地は世界中にあり、各国で独自のコーヒー文化を楽しむことができます。日本ではインスタントコーヒーの普及から始まり、シアトル系、産地重視型、郊外型のカフェの流行など、日本独特のコーヒー文化が発展。コーヒー戦国時代とも言える中、藤沢市菖蒲沢で日本の伝統家屋を守りながら、豆の鮮度を重視した焙煎方法で、全国により良いコーヒーライフを届けている「五右衛門風呂焙煎所」に伺いました。

「より良いコーヒーライフを楽しんでほしい。」

「五右衛門風呂焙煎所」を営むのは、以前、取材した「HOME ROASTING 7325 COFFEE」の亀井ご夫婦。バリスタの雄介さんと、コーヒーに合うフード作りを担当する里美さんは、環境への意識が高く、ビーチマネー加盟店への参加や「ZERO WASTE(ゴミを出さない社会を目指す活動)」への取り組み、さらにはビーチクリーンならぬタウンクリーンの自主活動や被災地などへの支援も行っています。カフェの領域を超えた、地域のコミュニティ拠点を創り出しているお二人です。

「ゆったりしたい時、疲れた時、映画を見ている時、そんなくつろぎの大切な時にこそ、こだわりの美味しいコーヒーを飲んでいただきたい。ちょっとした幸せの時間を作るお手伝いをさせていただければうれしいです。」と話す亀井ご夫妻。

五右衛門風呂が残る焙煎所。

「農家だった祖父母が大切にした当時の暮らしをそのまま残しました。」と語るのは、雄介さん。1940年頃に建てられた家屋には、五右衛門風呂やレンガを積み立てたかまどがそのまま残されていて、一歩足を踏み入れると昭和初期にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。「お湯加減どう?」「ちょうどいいよ!」「ご飯まだ?」と聞こえるかのような当時の暮らしぶりと、その“熱気”が手に取るように浮かんできます。

大正時代にはハイカラな高級飲料として普及したコーヒー。戦時中は敵国飲料として輸入中止、戦後の昭和25年に輸入が再開され「平和の使者」として人々を感激させたそうです。そんな紆余曲折あった歴史あるコーヒーを家屋全体が静かに、あたたかく見守っているような気がしました。

焙煎機と1対1の環境で、豆と対話しながら焙煎。

焙煎中に変化する豆の香り、焙煎機のドラムから聞こえる音。古き良き時代に想いを馳せながら、コーヒー豆の焙煎に神経を研ぎ澄ます雄介さん。豆の選別から焙煎、梱包、発送の一つ一つの作業に愛をこめて美味しいコーヒーをお届けするのが雄介さんのライフワークなのだそうです。

鮮度を重視し、少量焙煎にこだわる雄介さん。グアマテラ・オリエンテ、タイ・サイアムブルームーン、ノンカフェイン・コロンビア、トミオ・フクダ・ブラジルなど厳選された9種類に特化し、提供。豆のまま、または細挽き・ペーパー挽き・フレンチプレス挽きから選ぶことができます(500g以内は全国200円で発送)。Hilo Homemade Ice CreamKAMOSUなど湘南を中心とした人気店への卸も行い、パートナーと共に各店のオリジナルコーヒーの開発も行っています。

家族の歴史と愛情が香る、至高のコーヒーを。

雄介さんは3児のパパ。日頃は育児に奮闘中ですが、週に2回は五右衛門風呂焙煎所で焙煎に集中します。雄介さんが焙煎をしていると、100歳近くになるおばあさまが必ず見にいらっしゃるのだとか。焙煎中は分刻みでデータを記入しなければならず、背中越しでの会話になりますが、戦争のこと、昔飼っていた牛のこと…毎回、同じ話を繰り返す“祖母と孫の会話”を交わす時が、とても楽しく尊い時間に感じるそうです。

祖父母、両親との思い出が詰まった五右衛門風呂焙煎所。祖母、孫、ひ孫が背中で会話する姿を見ていると、17世紀の作曲家バッハが親子のユーモラスなやりとりを巧みに表現した「コーヒー・カンタータ」(コーヒー賛歌)が思い出されます。

時代が変わっても続く、子育ての苦悩と喜び。何代も紡ぐ家族の歴史と愛情が育んだ五右衛門風呂焙煎所は、“家族賛歌”そのもの。家族愛の素晴らしさ、尊さを思い出させてくれる至高のコーヒーを。色・香り・味わいのすべてが飲む人の心を“ほっと”あたためてくれることでしょう。

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