江ノ島駅の山際にそびえ立つ白い巨塔の正体は?
江ノ電「江ノ島」駅に向かって歩いていると山側にいつも見える、白と金の立派な建物。
日本離れした佇まいや雰囲気、やたら豪華な金色。気になる…!! ということで、今回はその建物の正体を知るべく龍口寺(りゅうこうじ)に行ってきました。
日蓮聖人が難を逃れた、不思議な伝説の残るお寺。
龍口寺はかつては刑場跡で、文永8(1271)年9月21日に日蓮宗の開祖日蓮が鎌倉幕府に弾圧されこの場所に幽閉されましたが、処刑直前に不思議な光が江ノ島の方向から差し込み、恐れた幕府は日蓮聖人の処刑を中止した、というお話が伝わっています。(龍ノ口法難)
境内には連行された折に日蓮聖人が一晩を過ごした土牢が今も残っています。土牢の中には日蓮像が安置されており、とても暗くて狭くて、まさしく牢屋という感じでした。日蓮聖人入滅ののちに、直弟子だった日法聖人が1337年に寂光山龍口寺と称し寺を建立したのが始まりなのだそうです。
▲ 本堂
▲ 日蓮聖人の像
▲ 正面に見える江ノ電
▲ 日蓮聖人が幽閉されていた土牢
<延寿の鐘>
お題目を唱えれば、1人1回まで突くことができます。 これだけ大きな鐘を突くことのできるお寺は中々ないでしょう。
鐘のご加護を得て、いざ散策!
五重塔に向かう裏山から、散策路を通って白い建物までの道のりを目指すことにしました。 向かう先々で、興味深い建物が沢山ありました。
▲ まずはこの階段を登ります
▲<五重塔>大本堂と県内唯一の本式木造。 神奈川建築物百選に選定されている
▲<七面堂>江戸時代初期に身延七面山の七面大明神を勧請した。毎月19日には例祭が行われている
▲ 龍口寺に寺領を寄進をした島村家代々の墓。 校長先生のような立派な胸像が数点あってびっくりしました…
様々な出会いの果てについに…
思いがけず見所が沢山あって敷地内を満喫していると、前方に白くて丸い後ろ姿を発見しました。も、もしやこれがあの白い巨塔!? ここがあの山頂!! すごく遠いと思っていたら意外と近かったです。
山際から見えていた白い建物は仏舎利塔というもので、世界でも有数の建造物でした。看板によると仏舎利塔はインドが発祥の地みたいです。なのでこのような形をしているのですね。
1970(昭和45)年、龍ノ口法難七百年を記念して建立。金色に輝く釈迦如来像が安置されています。 白亜に塗り替えられる前は銀色だったようです。銀色のお堂も見てみたいですね。
▲ 仏舎利塔
▲ 釈迦如来像
▲ 仏舎利塔御由緒の看板
相模湾も一望できます。観光と参拝が一度にできてとても得した気分になります。
▲ 仏舎利塔から見える景色
帰路にも面白い発見が沢山ありました。
階段ひとつひとつがそれほど高くないのもこの敷地の特徴です。そういう理由なのか、ご年配の方の参拝客も多かったです。ただこの階段はすごく目が回りました……。笑
曲がりくねった道を歩いていると、七面堂からお寺まで一直線に繋がっている階段にぶつかりました。仏舎利塔に直接行きたいのであればこの階段を使ったほうが近かったのですね、な〜んだ。
▲ モノレール
▲ 曲がった階段
江ノ島から見えていた白亜の建物は、世界的に有名で歴史のある仏舎利塔でした。このお堂がきっかけで見応えのある建物や緑が沢山見られて、良い気分転換になりました。
山道もとても涼しく蝉も鳴いていて、残暑を堪能できました。 ハイキングとまではいきませんが、江ノ島観光や散策をしたい方に是非おすすめです!
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