鎌倉の海を眺めながら自家焙煎コーヒーを楽しむ特別な時間

江ノ電の腰越駅から徒歩3分、観光地として大人気の鎌倉高校前駅からも歩いて数分。腰越海岸沿いの大通りから1本小道を入ると、2024年3月にオープンしたカフェ「Rajah Coffee(ラージャーコーヒー)」が。

高い評価基準をクリアし高品質だと認定された「スペシャルティコーヒー」を、海を眺めながらゆっくりと味わえるカフェです。オープンから2か月少しというのに、地元のお客様を中心に常連さんが多く、観光で訪れた外国人のお客様も多いよう。

好きな街「鎌倉」で大好きなコーヒーのお店を

ラージャーコーヒーを営むのは、独学で焙煎を学んだ伸之さん、学生時代に大手コーヒーチェーンでアルバイト経験のある優夏さんご夫妻。

もともとコーヒーが好きで自宅で手鍋から焙煎を始め、次に小さな焙煎機を購入してと、徐々に本格的な焙煎にはまっていったという伸之さん。

「同じ豆でも焙煎の仕方で風味が変わるんです。そこから焙煎の奥深さに引き込まれていきました。焙煎によって変わるコーヒーの風味やその奥深さを、もっと多くの方に知ってもらえたら嬉しいですね」

三浦で生まれ育ち湘南エリアや海には馴染みがあった伸之さんは、とくに鎌倉の街の雰囲気が好きでお店を出すなら鎌倉と決めていたそう。北海道出身の優夏さんは鎌倉が舞台となった好きな映画がありいつか鎌倉に住みたいと思い続けていました。

「鎌倉が好き」「コーヒーが好き」という共通点から、「いつか海が見える場所にカフェをオープンできたらいいね」と話されていたそうです。

「湘南エリアへの引越しのタイミングで、理想のカフェイメージにぴったりの物件が見つかったこと、資金が充分に貯まったことなど、いろいろなタイミングがよかったんです」。

好きなことだから楽しみながら頑張れる

放射線技師になるためには国家資格が必要で、取得のための勉強や努力は楽なものではなかったはずです。夫婦ともにステータスのある放射線技師という職について十数年のキャリアを築きながらも、心のどこかにぼんやりとあった「いつかコーヒーのお店をやりたい」という気持ち。ずっと憧れていた鎌倉に引っ越すタイミングでお店のイメージにぴったりの物件が見つかったことで、夢が現実のものになっていきます。

店舗探しに半年、開店準備に半年と、1年ほどの準備期間を経て念願の海が見えるカフェをオープン。「おじいちゃんおばあちゃんになったら、くらいのイメージだったんですけどね」と笑う優夏さん。

サーファーの方にも利用してもらえるよう、お店は朝7時半からオープン(火曜定休日)。7時半から19時までの営業だと大変そうですが、「好きなことなんで楽しみながらできてます」と話す伸之さんの隣で、「朝早くて大変です」という優夏さんも素敵な笑顔。

おふたりともサーフィンが好きで、休みの日には趣味のサーフィンも一緒に楽しまれるそう。好きな街で大好きなコーヒーを扱う。そして目の前には海。そんな環境ならどんなことも楽しみながら頑張れるというのも納得です。

  • お店の目の前は海

お店の魅力は「自家焙煎」と「ロケーション」

お店のこだわりはやはり自家焙煎。時間が経つにつれ味や香りが変化してしまうコーヒーは鮮度が命。お店で焙煎をして、一定期間寝かせ、ベストなタイミングで提供されます。

コーヒー豆はすべて高品質なスペシャルティコーヒーで、常時6〜8種類(1種類はディカフェ)用意されています。今後はもっといろいろな国の豆を仕入れる予定とのことなので楽しみですね。

水出しコーヒーもおすすめということで、この日はエチオピアの豆を使った水出しコーヒーをいただきました。とてもまろやかで、ほのかな甘味も感じられるためブラックでコーヒー本来の苦味や風味を楽しめます。

  • 産地など詳しい説明も

  • 常時6〜8種類(1種類はディカフェ)用意されています

もう一つの魅力は立地とのこと。海からすぐですが、大通りから一本入ったところにあるため静かで落ち着いた雰囲気となっています。さらに2階席はすべての席から海が見えるという最高のロケーション。

そしてもう一つの大きな魅力が「居心地のよさ」だと感じました。ご夫妻の人柄のようなゆったりとした時間が流れる店内はとてもくつろげる雰囲気で、この雰囲気が好きな常連さんも多いよう。

2階席でとても楽しそうに過ごされていたのは、常連のお客様とお友達とのこと。「くつろげます」「家にいるみたい」と居心地のよさを絶賛していました。

  • ゆったりとした2階席からは海が一望できます

腰越の魅力、カフェ経営の魅力

「よそ者が馴染みのない街にカフェをオープンして地元の人に受け入れられるだろうか」と不安もあったそう。しかし早くも湘南エリアで活動されているアーティストさんやフォトグラファーさん、近隣でお店を経営されている方などが常連さんに。

「近隣の方がみんな親切なんです。お友達を連れてきてくださったり、みなさんとてもあたたかくて本当にここを選んでよかったと思ってます」。

「好きな焙煎をするのももちろん楽しいですが、『おいしかった』『居心地がいいのでまたきました』などお客様が喜んでくださるのが一番嬉しいです」。

グアテマラのスペシャルティコーヒーを飲んだお客様からは、『生涯で一番おいしかった』という嬉しい言葉をいただいたことも。

コーヒー豆のネット販売や屋上スペースの活用も準備中

海外のお客様もコーヒーの味が気に入って豆を購入して帰られることが多く、ふらっとコーヒー豆を買いに立ち寄る常連のお客様の姿も見えました。自家焙煎コーヒー豆のネット販売も準備中とのことなので遠方のお客様も気軽に買えるようになります。

海を眺めながらコーヒーを

価格は安くはないスペシャルティコーヒー。「1,000円近くするコーヒーは高いと感じる方も少なくないと思います。もちろん缶コーヒーもおいしいですが一度うちのスペシャルティコーヒーを飲んでいただけたら嬉しいです」(優夏さん)。

「コーヒーは豆の種類や産地によって風味が違うのでその違いを楽しんでもらいたいです。紅茶のような味わい、チョコレートやナッツのような風味と表現されるものもあります。こんなコーヒーがあるんだというような、コーヒーの概念を変えてしまうようなそんな一杯に出会ってもらいたいです」(伸之さん)。

鎌倉からも江ノ島からもアクセスしやすいので、コーヒーやカフェが好きな方はぜひ、Rajah Coffee(ラージャーコーヒー)でスペシャルなコーヒーを飲んでみてください。これまでとは一味違うコーヒーに出会えるかもしれません。

Photo : Aya Fukuda

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