鎌倉・御成町の路地裏から100種類のパンの香り。選ぶ楽しみを堪能できるパン屋さん「鎌倉利々庵(かまくらりりあん)」

鎌倉駅西口から徒歩で約3分ほど。御成通り商店街から一本はいった路地裏に「鎌倉利々庵(かまくらりりあん)」というパン屋さんがあります。

首都圏屈指のパン屋激戦区である鎌倉の中にあって、特に高い支持をうけているというこのお店。近隣の飲食店では、こちらのパンを採用しているお店も増え続けているのだとか。今回は鎌倉利々庵のオーナーである髙橋俊之さんにお話を伺いました。

毎日、約100種類のパンが焼かれる

鎌倉利々庵のパンは、とにかく種類が豊富。食パン、バケットなどベーシックなものから、クロワッサン、スコーン、サンドイッチ、惣菜パン、菓子パンなど、「美味しくて、栄養バランスの考えられたパン」をテーマに、毎日約100種類ほど提供しています。

開店直後たくさんのパンが並んでいる売り場の様子は、さながらパンの百貨店という感じです。お客さまからの要望にはできる限り応えたい、さらにパンを選ぶ楽しさを感じてもらいたいという想いから、これぐらいの数になってしまうとのこと。

また、商品の入れ替えは毎月行われるそうです。豊富な種類と、行くたびに異なる顔ぶれのパンが並ぶ鎌倉利々庵、高い支持をうけているのも頷けます。

鎌倉利々庵では、職人さんがチームでメニュー開発をしています。パン職人を中心に、チーム全員で試行錯誤を重ねアイデアを練っていくのだとか。

菓子パンや惣菜パンに使われるフィリング(具材)は、すべて一から手作りです。職人さんの中にはパティシエの経験者もいて、菓子パンに使われるクリームやジャムなどは、洋菓子店にひけをとらない本格的なものが作られているそうです。

オーナーの高橋さん以外、接客・販売やパン職人など、スタッフは全員女性。丁寧なパンの取り扱い、常に清潔に保たれている店内の様子など女性らしい気配りと配慮が随所に見受けられ、鎌倉利々庵でのパン選びを楽しいものにしてくれています。

看板商品は、こだわり製法の食パン

数あるパン中で一番の人気商品なのは、発酵を2回行うという、こだわりの製法で作られる「利々庵食パン」。米粉にパン酵母を加え一晩発酵させた種に、翌朝小麦粉を加えさらに発酵させ生地をつくります。お米のでんぷん質が分解されて麦芽糖になることで、独特の味わいになるのだそう。

使用されている砂糖の量は一般的な食パンより約4割ほど少ないそうで、分かりやすい瞬発的な甘みはないのですが、噛んでいるうちにじんわりと染み渡るような甘みがでてきます。

他では味わえないこのじんわりとした甘み・旨みが、「利々庵食パン」のリピーターを増やし続けている理由なのかもしれません。

パン作りは、サイエンス

元々IT系企業で働かれていた高橋さん。昔から湘南、特に鎌倉に強い憧れがあり、いつか鎌倉でビジネスをやってみたいと考えていたそうです。いろいろ候補があった中でパン屋を選択したのは、パン好きの娘さんが安心して毎日食べられるものを作りたかったから。高橋さんは、調理師学校の製パンコースに通い調理師免許を取得、さらには日本パン研究所にも通ってパン作りの理論と技術を徹底的に学びます。

「自分にとって、パン作りはサイエンス。理論的なアプローチが可能なのが性に合った」と高橋さん。

使用する材料や採用する製法で、食感や味に大きく違いがでてくる“パン”は、テーマとしてとても興味深く、理想の味となる組み合わせを探していくようなパン作りの工程は、高橋さん自身の“性”にもあっている、とのことです。

お店に来れない人にも、パンを選ぶ楽しみを

鎌倉利々庵では、近隣各所への出張販売もおこなっています。はじめたきっかけは、あるお年寄りのお客さまが身体を悪くして、代わりに娘さんがパンを買いに来ていることを知り、“さまざまな都合でお店に来れない人がいる。そういった方にもパンを選んで買う楽しみを届けたい”と思ったからだそう。

はじめた当初はなかなか思うようにはいかなかったそうですが、今では行く先々で固定のお客さまもつき、年配の方だけでなく、子育てなどで忙しい主婦の方にも好評とのことです。

「鎌倉のパン屋は、本当にどこもレベルが高い。これだけいろんなパン屋があるのは、それぞれの店が個性を発揮してうまく棲み分けできているからじゃないか」と高橋さん。

鎌倉にパンの名店は数多くありますが、鎌倉利々庵ほどたくさんの種類が提供されていて、どれを選んでも美味しいというお店は他にはないと思います。美味しいパン選びを楽しみたい方は、ぜひ一度鎌倉利々庵に立ち寄ってみて下さい。

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