【あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜】

<第1回>心をリセットする道

はじめまして。鵠沼の古民家に暮らし、編集者&フリーライターとして活動している尾日向梨沙です。海の近くに住んでいながら私のメインフィールドは雪山。スキーやスノーボード、雪国カルチャーをテーマとした雑誌を作っています。

雪が降る季節は、取材で国内外の雪山をめぐり、鵠沼にはほとんど帰れません。スノーシーズン以外も、仕事で各地を飛び回ることが多いのですが、鵠沼での暮らしがとっても心地よくて、湘南にいるときはできるだけなんでもない日常を大切に過ごそうと思っています。

鵠沼は「くげぬま」と読みます。江ノ島の近くで、なによりも鵠沼海岸が有名ですが、私の暮らす地区は、明治時代に別荘地として開発されたエリア。背の高いクロマツが多く茂り、地名の由来でもある沼が残っていたりと自然豊かで静かな住宅街です。

周辺にはお気に入りのスポットがたくさんありますが、一番好きなのは、駅から帰路に着くときに通る川沿いの道。

駅を出て路地を曲がった瞬間、海の風を浴びます。遠くには江ノ島の灯台を望み、海から吹く風で、川の水やクロマツが揺れる音。車が通らない道なので、昼間は犬の散歩をしている人や、川を飛び跳ねる魚を見かけ、夜は月明かりが川に反射して夜道を照らします。鳥や虫の鳴き声は賑やかすぎるくらい。コンクリートジャングルの都会に比べれば、豊かな緑と水のおかげで気温も違います。

東京の雑踏に疲れた帰り道、長い出張から帰ってきたとき、仕事が忙しく心がざわついているとき。いつでも、この路地を曲がると気持ちがリセットされるのです。ここを歩くのは、たった3分くらいだけれども、帰り道は携帯の画面も見ず、聞いていた音楽も止めて、自然の音に耳を澄ますようにしています。

長く東京に暮らしていたけれど、子供のときから鵠沼の海や森で遊んでいました。その原体験は今も自分のなかで心地よいものとして残っているのだろうと思います。

次回は、お気に入りの海遊びをご紹介します!

あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜

鵠沼の自然を感じながら暮らす編集者が、湘南での日々の発見や四季折々の姿を紹介します。

当コラムの執筆者、尾日向さんの発行しているスノーカルチャー誌
『Stuben Magazine』の公式ウェブサイトはこちら:http://stuben.upas.jp

ライター情報

尾日向 梨沙

尾日向 梨沙

編集者。東京都出身、藤沢市鵠沼在住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスでウィンタースポーツを専門に取材、執筆。2015年に北海道ニセコの写真家とともにスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を発行。スキーと旅はライフワーク。海、山、森と自然に囲まれて過ごす時間が何よりも好き。

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