あの絶品スイーツと芳醇な野菜を、誰にも教えたくない鵠沼海岸の隠れ家で

「隠れ家的な~」というフレーズはよく耳にするものの、実際に行ってみるとそうでもなかったりすることも多いもの。しかし今回ご紹介するのはわずか2テーブルのみ、“正真正銘の隠れ家レストラン”。地元ローカルでも、中々たどりつけないスイーツ&カフェをご紹介します。

住宅街の先を恐る恐る進むと、そこには…

場所は鵠沼海岸7丁目。八部球場で知られる鵠沼運動公園のすぐそばの住宅街に、お店の看板「汎スイーツ」が現れます。恐る恐る奥へと歩を進めると、色とりどりの草花が歓迎、ショーケースに入ったケーキを見つけ思わず頬が緩みます。そんなケーキに後ろ髪を引かれながら、右手にある住居のドアを開けるとそこが「汎カフェ」です。

昨年までは辻堂東海岸で営業していた「汎スイーツ」。オーナーの上野泰子(たいこ)さんがつくるケーキは特に好評で、誕生日やクリスマスケーキにと多くの方が利用していましたが、5周年を機にこの地への移転を決意。従来はテイクアウトしか行っていなかったものの、今回新たにご主人が料理をつくるレストラン「汎カフェ」を併設して開店しました。

古民家を利用した完全プライベート空間

平屋の古民家の一室を利用した8畳ほどの空間には、2つのテーブルとそれぞれ4脚の椅子。そして、手作りの木製の棚には、丹波焼のお皿やカップなどがきれいに並べられています。窓の外にはこじんまりながら手入れの行き届いた庭が広がり、ほかの人には決して邪魔されることのない、完全プライベートな空間となっています。

まるでアートのように美しい一皿に驚き!

メニューは、本日のランチプレートのみ。事前に予約をしていることもあって、ほどなく料理が提供されました。そしてテーブルに置かれた料理を見て、ビックリ! 一枚の大きな皿が色とりどりの新鮮な野菜で埋め尽くされ、そのアートなビジュアルに思わず声を上げてしまうほど。これほど美しい一皿は、なかなかお目にかかることができません。

珍しい「渦巻きビーツ」などを使用した『藤沢野菜のサラダ』、「菊芋」などの『根菜のグリル』、『タラとカブのマリネ』、『ごぼうのスープ』など、“生で、焼いて、お酢で和えて、すりおろしてスープで”と、手を変え品を変えたさまざまな野菜が、お皿に彩りを添えています。

「地元藤沢産を中心に、おいしくて新鮮、健康的な野菜をたくさん召し上がっていただきたいんです」と語ってくれたのはシェフの上野克仁さん。その言葉通り、野菜本来が持つ美味しさを上手に引き出すそれぞれ異なる調理法のおかげで、野菜を食べ続けているにも関わらず決して食べ飽きることがありません。

  • 身体の隅々にまでしみわたる、瑞々しい野菜がいっぱい

豊富な調理法で、さまざまな野菜を食べつくす

野菜のほかには、『やまゆりポークのパテ』や『自家製パン』が並びますが、気になる一品が。まるでスパニッシュオムレツのようですが、ちょっと違う気も…。「これはパスタのオムレツで、以前鵠沼にあった『ポルポ・イタリアーノ』で好評だったものを復活させてみました」と克仁さん。

大阪での板前修業を経た後、藤沢へ来たという克仁さん。そこで地元ロコに愛された鵠沼海岸のイタリアン「ポルポ・イタリアーノ」で10年間働くも、惜しまれながら同店は閉店。その後、七里ヶ浜の有名イタリアンである「アマルフィ」で14年間シェフを務めるなど、数多くのグルメを唸らせてきました。

「このパスタオムレツを見て、もう何年も前に閉店したお店を思い出してくれる方もいらっしゃいます」とオーナー。たとえ店は無くなったとしても、その美味しさだけは舌の記憶とともに残るのでしょう。

  • 器が異なれば、料理の新たな魅力を発見できる

丹波焼の素朴な魅力も、味のうち

さてもうひとつ注目したいのが、この見事な器。ちょっと無骨な印象で、土のぬくもりを感じる昔ながらの風合いが特徴の丹波焼が、すべての料理に用いられています。実は奥様のご両親が「故郷の丹波焼の良さを知ってもらいたい」と、器の店「汎」を開いたのが約14年前。それ以来、「いつかこの素敵な器を使ったお店を開きたい」との思い続けていたとのこと。そのご夫婦の夢が、ようやく今年実現したのです。

  • 好きなカップが選べるのも魅力

  • お皿やカップの販売も行っている

待ちに待ったスイーツタイム!

さて、ボリューム満点の料理を食べ終え、お待ちかねの“別腹タイム”、スイーツが登場です。事前にショーケースに並んだ中からセレクトしておいたケーキが運ばれると、喜色満面の笑み。食べる前から美味しさが伝わり、自然と笑顔があふれます。

頼んだのはイチゴを使った限定スイーツとお茶碗パフェ、ガトーショコラ。イチゴなど季節の旬の果物と甘さ控えめな生クリームのバランスが絶妙。甘いのに口残りがない爽やかな後味が、絶品。今まではテイクアウトでしか食べることができなかった「汎スイーツ」のケーキが、お店で食べられるのが何と幸せなことか!

  • 店内限定の「こぼれるいちごとキャラメルのタルトアイスクリーム添え」

また店内には、今までのお客様が注文したさまざまな誕生日ケーキなどを収めたアルバムもあります。お子さんの似顔絵や将来の夢がクッキーに描かれるなど、どれも一つ一つが特別、パラパラと見ているだけで幸せな気持ちに包まれます。

  • クッキーやケーキの作品がいっぱいの写真集

  • 家族の素敵な思い出がつまったケーキ集

  • スイーツの器も丹波焼

  • お茶碗にスイーツもかわいらしい

ランチにディナーに、バースデーパーティに!

テーブルは2つしかないこともあり、まだオープンしたばかりだというのにランチの予約は1ヶ月先までいっぱいだという「汎カフェ」。ランチやディナーはもちろん、出来立てのケーキを食べられるので、お子様の誕生日会などにもおススメとのこと。

本当にいいお店は、本当は誰にも教えたくないもの。でも家族や気の合う仲間にだけは教えて、“行きつけの隠れ家”にもしたくなるものです。この春は、自分だけが知る素敵なお店で、ちょっとした優越感に浸りながら、誰にも邪魔されないゆとりのひと時を過ごしてみませんか?

汎スイーツ

神奈川県藤沢市鵠沼海岸7-11-20

[営業時間]
水~日曜日 11:00~17:00、18:00~21:00
※ディナータイムは要予約。

[定休日]
月・火曜日

[連絡先]
080-8499-8362

[ホームページ]
http://r.goope.jp/hansweets

ライター情報

ユゲヒロシ

ユゲヒロシ

鵠沼海岸生まれ、鵠沼海岸育ち。バックパッカーとして世界を旅した後、広告制作会社に。2003年よりフリーランスのライター&ディレクターに。趣味はキャンプ、ロードバイクなど。B・C級グルメ、お酒が大好き。妻と3人の子どもとつましく(?)暮らす。

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