鵠沼にある“街の映画館”「シネコヤ」。名作を、温もりとともに。

良質な映画と、上質なひとときを。鵠沼海岸駅近くの住宅街にある洋館で、ミニシアター系と名作映画が隔週で上映されています。

「シネマ」と「小屋」、合わせて「シネコヤ」。人とモノが集まるこの映画館では、懐かしさと温かさ、そして湘南らしいゆったりとした時間の流れが感じられる、ワンアンドオンリーな時間を過ごすことができます。

「隠れ家シネマ」と「鵠沼シネマ」。隔週でそれぞれの趣向が味わえる映画館。

  • ▲ 上映が行われるIvy House。鵠沼海岸駅までのお迎えサービス(徒歩)もございます

シネコヤは、鵠沼海岸駅から少し歩いたところにある「Ivy House(アイビーハウス)」で、月に2度上映を行っています。

ひとつはミニシアター系の作品を扱う「隠れ家シネマ」。女性のお客様が多く、20〜60代と幅広い年齢層の方々がよく訪れます。また、地元・鵠沼海岸や藤沢、茅ヶ崎など湘南各地にあるお店と協力して、上映作品にちなんだ「シネフード」を提供しているのも特徴のひとつ。作品ごとにメニューが変わりますので、要チェック!

そのほか、劇中に登場するアイテムを展示するなど映画の世界に入り込めるような演出が凝らされていたり、昔の映画館に着想を得て作製したシネコヤオリジナルのパンフレットも販売。手作り感と懐かしさをご堪能いただける空間となっております。

  • ▲ 大きなテーブル、ゆったり座れるソファーも用意されています

  • ▲ 作品ゆかりのアイテム展示。今回はファッションにちなんで…

そしてもうひとつは、往年の名画をラインナップに据えている「鵠沼シネマ」です。男女にかかわらず、シニアの方々を中心とした客層となっているこちらのシリーズでは「鵠沼シネマ喫茶」と銘打ったメニューを用意。鑑賞前や上映終了後に語らう場としての空間を提供しています。

映画とカフェを合わせたスタイルですが、かつて藤沢にそういったお店が存在していたといわれています。残念ながら詳細は不明ですが、映画を観終わった後は誰かと話がしたくなるものですし、こうした場所があるのは嬉しいですね。ただ映画を観に行くだけではなく、人とのふれあいも実感できるスペースとなっています。

 

それぞれの上映作品によってカラーが異なる「隠れ家シネマ」と「鵠沼シネマ」の各シリーズですが、ここ最近では両方に訪れる常連さんもいらっしゃるそう。そのため、それぞれの垣根というものは無くなっていって、地元の映画好きな人たちが集まる場になっているようです。

“街の映画館”づくりを夢見て。Ivy Houseだからこそ出せる雰囲気の良さ。

シネコヤのルーツは、主宰者である竹中さんがボランティアとして参加していたNPO団体にあります。その団体は図書館などでプログラム上映会を行ったりと徐々に規模は拡大しきましたが、2013年に大きな転機が。なんと、上映会を行っていた建物が火事に遭ってしまったのです。

悲しい出来事が起きてしまいましたが、竹中さんはかえって「映画館」という場所をより意識するようになりました。映画の上映会を行うだけではなく、“街の映画館”がつくりたい。そうした想いがより明確になったところで、竹中さんはNPO団体から独立。シネコヤとしての新たな歩みをスタートさせました。

上映を再開するための場所を探していたある日、竹中さんは喫茶店のマスターからIvy Houseの存在を耳にしました。そして実際に訪れてみると、そのシックで温かさのある空間に運命を感じたそう。以来、シネコヤはIvy Houseと歩みを共にしてきました。

開始当初は不定期上映でしたが、2014年から「鵠沼シネマ」、翌2015年からは「隠れ家シネマ」の各シリーズが定期開催に。そして、当初の夢だった“街の映画館”の開館に向けても、現在少しずつ動き始めているのだそうです。

 

常設の映画館については実に豊かな構想を語ってくださった竹中さんですが、一方でIvy Houseでの上映も大切にしていきたいとのこと。というのも、現在の創意工夫が凝らされたスタイルはIvy Houseだからこそできるものだと考えているからです。

湘南で生まれ育ち、学生時代は映画館でアルバイトをして過ごし、ある時期には都内での暮らしも経験したという竹中さん。「時間がゆっくりと流れていくのがこの街の特色で、そしてそれはこの街ならではのものだと思います」と、やわらかな笑顔でのほほんと話してくださいました。

人と人とがつながるコミュニティとしての映画館、それがシネコヤです。落ち着いた空間でリラックスしながら、名画や傑作を鑑賞するひとときの味わい深さをぜひ体験してみませんか。

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