湘南の本屋さん

画家のアトリエに遊びに来た気分になれる。鎌倉・佐助の隠れ家的古書店「古書くんぷう堂」

銭洗弁財天や源氏山にむかう観光客でにぎわうだけでなく、古くから作家や芸術家が好んで住んでいる地「佐助」。市役所通り沿いの「古本」と書かれた赤い看板、その脇ある、ぼんやりしていると見逃してしまいそう細い階段の先に「古書くんぷう堂」があります。

こちらは、もともとは画家のアトリエだった建物を店主自らの手でリノベーション、お店をはじめられたそう。古本屋の店舗は2階、1階はレンタルスペースになっています。今回は、店主の伊藤薫風(さつき)さんにお話を伺いました。

伊藤さんが幼少期から親しんだものたちが、ごく自然に同居する空間

「古書くんぷう堂」では、伊藤さんの目利きによってセレクトされた古書やアートにふれることができます。文学、歴史、趣味、児童書、サブカルチャー、ジェンダーなど幅広いジャンルが取り扱われていますが、特に豊富なのが美術関連。店内には本の他、アーティストの作品やクラフト・古い雑貨も所狭しと並んでいます。

古いものが多く残り、古本屋もたくさんある京都で生まれ育ったという伊藤さん。店内は、伊藤さんが幼少期から親しんだものたちが、ごく自然に同居しているような空間です。

鎌倉という土地柄、お店に来られるお客様は観光客と地元の方と半々くらいとのこと。文学・芸術関係者の方の来店も多いそうです。

  • 本でできたオブジェもアーティストの作品

  • 靴を脱いで、階段を上がります

  • 店内には所狭しと、古本・アート作品などが

  • 以前は編集のお仕事をされていた店主の伊藤さん

お勤めをしていた時には、神保町古書店街に通いつめていたという伊藤さん。やがて、自分でお店をやりたいと会社を辞め古書組合に加入、物件を探しはじめます。

なかなか理想の物件が見つからないなか、やっとたどり着いたのがこの”元画家のアトリエ”物件。実は伊藤さんのお父様も画家をされており、ご実家の2階はアトリエになっているそう。同じように2階がアトリエとなっている間取りからなのか、この物件を初めて見た時には強い親しみを感じたそうです。

自分の手で、お店を作る

借りた直後の室内は、物であふれかなり傷んだ状態だったとのこと。美大に進んだ影響でものを作ったり直したりすることが得意、という伊藤さん。お店をやるなら自分の手で作ってみたいと考えていたそうで、整理や修繕は業者の手を借りず、自らチャレンジすることにします。

まずは室内の整理から始め、それだけでもかかった期間は3ヶ月。元家主の未完成作品なども残されており、美術品好きの伊藤さん的にはむしろ楽しい時間だったそう。その後、旦那様や友人にも手伝ってもらいながら、壁を塗り、床を張り替え、本棚も自作されたとのこと。その作業は2019年2月のオープン直前まで続きます。

  • 棚・台・什器も自作

  • 窓からは緑が見える

1階のレンタルスペースは、地元の方の交流の場にも活用してほしい

1階のレンタルスペースは、製本やクラフトのワークショップや、ギャラリーとして個展、写真家の方によるスライドショーやトークショーなどのイベントなど、様々な形で活用されています。

「店内にある本やアート作品を見て、自分も何かやりたいと思った人が、動き始めるきっかけのひとつになれれば嬉しいですね」

地元の方の交流の場にも活用してほしいと考えているそうで、実際にご近所の方がバイオリン教室や舞の稽古などで使われることもあるとのこと。キッチンもあるので、いずれは料理教室なども考えているのだとか。

  • 2019年10月開催「弁造さんのエスキース展 / 写真家・奥山淳志」の様子

  • 1階の和室も、伊藤さん自らの手で張り替え

歴史と芸術の空気が色濃く感じられる、佐助ならではの魅力にあふれた古本屋「古書くんぷう堂」。本の買取も積極的におこなっているそうですので、古本片手に鎌倉散策、お店に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

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