湘南で暮らす人々

湘南の女性写真家が撮る「最期まで私らしい」写真とは~PhotoMerryShonan 長田由夏里さん

湘南で活動する写真家の長田由夏里さん。江ノ島駅近くに写真スタジオ「PhotoMerryShonan(フォトメリー湘南)」を構えています。“地域の人に寄り添い、地域の人と一緒に思い出を作ってあげたい。”そんな思いで活動を続ける長田さん、ある時その思いは「遺影写真」の撮影に行き着きます。

亡くなった人はその遺影写真に納得しているだろうか?

かつて、写真家の傍ら介護士の仕事をしていた時期がある長田さん。訪問ヘルパーとして高齢者のお宅へ伺うと、亡くなったご家族の写真に向かって話しかけている姿をよく見かけたとのこと。その写真は、集合写真を引き伸ばした合成写真でぼやけていたり歪んでいたりすることが多かったそう。

「そのとき、思ったんです。亡くなった方は、この写真で納得しているのかな。私だったら、ちがう写真がいいなって。」

遺影は葬儀の場で故人をしのぶために飾られるものですが、考えてみれば葬儀の後もずっと自宅の仏壇などに飾られます。「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「今日ね・・・」と、残された家族が話しかける遺影写真。もっと自分らしい、最高の写真で、家族の心のなかにも写っていたいのではないか。そんな思いに、長田さんは至ります。

  • 長田さんが撮影した遺影写真。明るく素敵な笑顔です。

いつか遺影写真を撮影したいと考えるようになった長田さん。そして、実現に至ったのは、長田さんのおばあさまが亡くなったことがきっかけでした。

「病室に背景紙を持ち込んで、家族みんなで撮影したんです。それが、結果的に祖母が写った最後の家族写真になりました。写真って、撮れるときに撮らないと、いつが最後になるか分からないんです。それは、必ずしも高齢でなくても。また、祖母の写真整理をどこかに依頼しようと思って調べたんですけど、高いんですよね。遺影撮影や写真整理を私が全部してあげられたら、そこまでお金をかけずに、そしてスマートに、気持ちの整理のお手伝いもできるんじゃないかと思ったんです。」

  • 家族5人で撮影した最後の家族写真。

“その人らしい”写真を残すために

それから長田さんは、家族写真や遺影写真などの思い出に残る写真を、自分らしく残すお手伝いをする「ハートフォトプロジェクト」を始めました。できる限りその人らしい写真を残す、という長田さんの思いに、協力者もできました。看護師が思い出の場所への外出のサポートを、美容師がメイク・ヘアセットや着物の着付けを、対応してくれることになりました。外出できない方のためにご自宅での訪問撮影もしています。

また、終活アドバイザーの資格を取り、遺影撮影だけでなく、人生のエンディング活動へのお手伝いにも応じられるようにしました。

  • 外に出られない高齢者のご自宅へ訪問しての撮影。

  • 美容師がヘアセットやメイクをすると、自然と気持ちが高まります。

賑やかで楽しい遺影撮影!?

とあるイベントで“メイクと撮影でワンコイン”の遺影撮影会を行なったときのこと。

「並んでいた知らない人同士が、『かわいいじゃない!』と言いながら写メを撮りあってるんですよ。女子高生みたいに。綺麗にして写真を撮ると、気持ちも若返るんですね、きっと」

こんな楽しそうな風景のなかで、撮影しているのがまさか遺影だなんて、誰が思うでしょうか。PhotoMerryShonanの”Merry“には、「ワクワクする」という意味が込められています。年齢を超えてワクワクする撮影を心がけているそうです。

「綺麗にして、笑顔で、“その人らしい”、最高の写真を残してあげたい。写真をとおして想い出を一緒に作ってあげたい。そういう思いは、写真を撮影するうえでずっとブレずに持っています。自分の活動のベースは、”人に寄り添う“こと。遺影写真って、ずっと残るし、家族がいつも見るもの。ずっと残る想い出だからこそ、その人に寄り添って、その人らしい想い出作りのお手伝いがしたいんです。」

遺影と聞くと、なんとなく暗いイメージを持ちますが、長田さんの撮影する遺影は“自分らしい”想い出を残すための明るく前向きなものでした。長田さんの写真なら、「写真撮ってもらいに行こう!」と家族を連れだすこともできそうです。家族と一緒に「PhotoMerryShonan」を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと素敵な想い出が作れるはず。

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