本格Barが進化した、魅惑のフードが自慢のダイナー「アルカディア」

夏は多くの観光客でにぎわう鵠沼海岸も、冬ともなるとその姿はまばら。いつもの気配を取り戻した街は、地元のローカル民で落ち着きと活気に満たされます。近年は、次々と新たな飲食店やショップもオープンし、普段使いの店として地元ロコに愛されている鵠沼海岸商店街。今回はそうしたお店の中から、最近、とみに人気を呼んでいるカフェ&バー「アルカディア」を訪ねてみました。

お店は鵠沼海岸らしからぬ雰囲気

鵠沼海岸駅から徒歩十数歩、駅の目と鼻の先にあるこのお店。数々の鮮やかなグリーンが店先に並ぶナチュラルな雰囲気、そして欧米では福を呼ぶ鳥、知恵の象徴ともされるふくろうのイラストがゲストを出迎えます。

ドアを開けると、そこはまさにオーセンティックBar。長い木のカウンター、バックヤードに置かれたお酒のボトル、そしてゆるやかに流れる心地よいジャズの調べ。鵠沼海岸=サーフィン、ハワイという雰囲気の店が多いなか、異彩を放つ独特のムードに満ちています。

大人気の“バーランチ”

夜ならばビールと行きたいところですが、まだ陽も高いランチタイム。ならばと、一番人気の「鵠沼ハヤシライス」にカツをトッピングしたボリューム満点のメニューを注文しました。まず驚いたのが、コクがあって濃厚な味わいながら、後に残らない切れのよい後味が絶妙のソース。そして、カラッと揚げたて、大人の手のひらサイズよりも大きなカツも絶品です。

  • ▲とにかくボリュームがすごい「カツハヤシセット」(1,200円)

「ニンジンと玉ねぎを主体に、季節の野菜などを大量に煮込んだソースと、2種類の異なるトマトソース、計3つのソースをミックス。水はほんの少し加えるだけで、水分はほとんど野菜から出るもので、これを約3日間寸胴で煮込みます」と、ソースのレシピを教えてくれたのはマスターの奥平さん。

これだけの手間をかけているのも納得の味わいに、思わず頬も緩みます。また2種類のタレが絶品のハーモニーを生む鵠沼ローストビーフ丼、とろとろで熱々のチーズが口中でとろける「鍋焼きハヤシうどん」など、Barとは思えぬメニューの充実ぶり。さらに500円のワンコインのサンドウイッチメニューもあるというから驚きです。

  • ▲鵠沼ローストビーフ丼(900円)

  • ▲鍋焼きハヤシうどん(1,000円)

実はこのお店、以前はすぐ裏にある古民家を改装した店舗で2008年に「モッキン堂」としてオープン。知る人ぞ知る隠れ家的なバーでしたが、2014年に現在の場所に移転。より人々に親しみやすい店に生まれ変わり、充実のメニューをそろえて再スタートを切ったのです。

「以前のイメージから本格的なバーと思っている人もいますが、今は気軽に日常使いできる街のダイナーです」(奥平さん)。その言葉の通り、ご近所のママ友連れや近所にお勤めの方、そして家族連れまでバラエティ豊かな客層がランチを楽しんでいます。もちろん、ランチタイムにビールと手羽先で一杯なんてことも可能。休日に海へと遊びに出掛ける前に、軽く一杯なんて使い方も最高ですね。

  • ▲ランチでもビール&手羽先!

  • ▲「フレンチトースト」は女性に特に大人気

バータイムの顔にも、やっぱり驚き!

充実のランチ以外に、「やっぱり夜の顔も見てみたい」。そんな想いから、後日改めてディナータイムに再訪問してみました。まずはドリンクということで、「さあビール…」と行きたいところですが、まず試してほしいのが自家製ジンジャエールを使った「モスコミュール」、または自家製コーラを使用した「テネシーコーク」です。

奥平さんが研究を重ねた自家製ジンジャエールとコーラは、キリッと辛口のドライな口当たり。適度な甘さもあり、女性のお客様もよく注文されるとか。またもうひとつの名物が季節のフルーツを使用したカクテル。冬の今ならイチゴをふんだんに使ったものが絶品。飲んだ後のデザート代わりに頼むのもいいかもしれませんね。

  • ▲自家製コーラを使った自慢のテネシーコーク

  • ▲しょうがが効いたモスコミュール。冬はホットで

夜更けに楽しむ、good music & bar time

ふと店内を見渡すと、やはり夜はバーの顔。適度な暗さが落ち着く照明、アダルトな夜の雰囲気を高めてくれるブルースやジャズミュージック。かつてはライブハウスでバンド活動をしていた奥平さんだけに、音へのこだわりも人一倍。真空管を使用したアンプや60年代製の山水のスピーカーなど、オーディオマニアもうならせるセットがずらり。店内を流れるあたたかみと臨場感あふれるサウンドが、澱のように溜まった毎日の疲れを溶かしてくれます。

  • ▲音楽にもお酒にも博学なマスターの奥平さん

  • ▲色鮮やかな美しいカクテルも

絶品ラーメンを真夜中にすする悦び!

さて、夜も更け帰り仕度を…と最後にメニューを見ると、何と「潮ラーメン」の文字が。どうやら1月からスタートした最新のメニューとのことで、早速オーダーを。提供されたのは潮と魚介の薫りが鼻腔をくすぐり、澄んだ黄金色のスープが見た目も鮮やかな一品。一口スープをすすると、何とも言えない魚介の旨みが口中に広がります。

「スープはタイの頭を丹念に下処理し、時間をかけて煮出したもので、さらにトッピングしたにこごりが食べ進めるにつれスープに溶け出すことで、味の変化も楽しんでいただけます」と奥平さん。まさかラーメン専門店も真っ青の本格ラーメンが、ここで食べられるとは! 同様のスープを使ったスープパスタが始まりとのことですが、寒い夜はやっぱり〆のラーメンが最適ではないでしょうか。

  • ▲深夜2時30分まで楽しめる「マダイの出汁の潮ラーメン」

あまりのボリューム、お料理の美味さについついお食事を数多くご紹介していまいましたが、やはりそこはバー。珍しいラムやモルトウイスキー、そして焼酎まで何でも揃っています。グラスを重ねながら、カウンター越しにマスターと交わす会話も特別なひとときを演出してくれます。

  • ▲珍しいシングルモルトも

  • ▲店内にもふくろうが

足早に家路を急ぐことが多い冬ですが、昼も夜も充実の料理が並び、楽しいお酒とすばらしい時間を提供してくれる店「アルカディア」。冬の鵠沼海岸観光の折に、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

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