「安心感」と「斬新さ」が共存。生活の一部となるカフェになりたい〜COFFEE TALKS KAMAKURA

鎌倉駅西口から徒歩約 2 分。線路側の近道から向かうと人混みを掻き分けることなくたどり着くことができる場所に、コーヒースタンド「COFFEE TALKS KAMAKURA(コーヒートークスカマクラ)」はあります。

実は筆者自身、オープン当初から利用している常連客の1人。約1年半通い続けて感じることは、ここには「安心感」と「斬新さ」が共存しているということ。今回はそんな不思議な魅力の理由を探るべく、オーナーのユウジさんにお話を伺いました。

生活の中に存在し、様々な繋がりをつくる場所を目指す

ユウジさんが以前暮らしていたオーストラリアでは、大小様々なカフェが街の至る所に点在し、人々の生活に欠かせない場所になっています。朝や仕事の合間にカフェでコーヒーを飲む、そんなオーストラリアの日常のように、1日の様々な場面で利用してもらえるお店をつくりたい。人々の生活の一部として、また地域に根差す場所を目指して、COFFEE TALKS KAMAKURAは始まりました。

店名の“COFFEE TALKS KAMAKURA”には、その名前の通りコーヒーを飲みながら“話す(TALK)”ことで人との繋がりをつくって行きたいという想いが込められています。対面式のテーブルが一つというコンパクトな店内では、お客さん同士で自然と話が始まり、帰り際には友達になっていることもしばしば。まるでユウジさんのコーヒーがお喋りをリードしているかのような光景です。

ラテアート教室で伝えたい、コーヒーの奥深さ

店内で開催しているラテアート教室も、ユウジさんがこだわる“人と繋がる場”の一つ。ラテアート教室での指導には、こちらのお店をオープンする以前から長年携わっています。

「参加者がコーヒーへの興味の入口としてラテアートの作成過程を知ることにより、美しいラテアートの背景には、見た目だけでは測り知れないバリスタの様々な取り組みがあることを知ってもらいたい。このコンセプトは当時から変わっていません。」

コーヒー豆と向き合い、最適な方法でエスプレッソを抽出。そしてミルクの温度を調節し、磨き上げた技術でラテアートを描いていく。これらの工程にはコーヒーとの真剣な「対話」が不可欠であり、バリスタがその対話をしっかり行うからこそ、味も見た目も高度な一杯が出来上がるとユウジさんはいいます。

「こうした一連の流れやコーヒーの奥深さを知ってもらうことで、これからカフェに行く時に新しい楽しみ方をしてもらえると思うんです。完成したコーヒー一杯の裏側にあるバリスタの想いを、想像しながら味わってもらえると嬉しいです。」

  • 洗練された技術により、あっという間に描かれて行くラテアート。カップを見つめる眼差しは、まさにコーヒーと真剣に向き合う様子を物語っています。

  • オセアニアで定番のフラットホワイト。エスプレッソとミルクのコントラストが美しく、ラテアートが鮮やかに映えます。

多角的なアプローチで、より多くの人が利用しやすいお店へ

COFFEE TALKS KAMAKURAは、実は「BANANA TALKS KAMAKURA」という別名を掲げるほど“バナナジュース”にも力を入れています。砂糖不使用、そして完全ビーガン(動物性食品不使用)という健康志向のドリンクです。昨年までメニューの一部として人気だったバナナジュースの種類を増やしたところ、あっという間に看板メニューの一つになりました。

「安心で毎日飲みたくなっちゃうドリンクを、大人も子供も、お爺ちゃん・お婆ちゃんにも楽しんでもらいたいんです。」

現在は、アサイーやモリンガ、チアシードなどのスーパーフードを使ったバナナジュースに力を入れており、毎日の健康サポートにも余念がありません。

  • BANANA TALKS KAMAKURAのロゴもあり、バナナジュースブランドを堂々と掲げています。

  • 新メニューのアサイーラズベリーバナナジュースは、アサイーとバナナ両方の味が引き立ち、ほのかな甘酸っぱさが爽やかな口当たりを演出した一品。

また、アパレル販売などドリンク以外にも様々なことに着手しているユウジさん。その原動力は、オーストラリアのシェフ時代にありました。

「とにかくやりたいことが溢れているんです。オーストラリアにいる頃から長年思い描いていた自店像に近づくよう、できることから少しずつ形にしています。これが様々な興味を持つ人と繋がるきっかけになることを祈っています。」

  • ユウジさんも着用している、COFFEE TALKS KAMAKURAオリジナルアパレル。シンプルで着心地が良く、普段着にも最適です。

鎌倉市も認める、環境に優しいお店

COFFEE TALKS KAMAKURAは、オープン当初からエコに気を遣っています。店内用のステンレスストローや、植物性デンプンで作られた100%生分解性の持ち帰り用カップは、今ではCOFFEE TALKS KAMAKURAの代名詞と言っても過言ではないほど浸透しています。

実はサーファーでもあるユウジさん。以前から海洋汚染の現状を目の当たりにしており、お店をオープンする上で、環境保護のためにまずプラスチックの使用を最小限に抑えることが大前提でした。また鎌倉にお店を構えた理由も、「プラゴミゼロ宣言」を発令し、プラスチックゴミゼロの取り組みを始めている鎌倉市に共感したためでもあるといいます。

環境保護を目指した営業を続けているCOFFEE TALKS KAMAKURAは、その取り組みが評され、先日鎌倉市より「エコショップ認定」を受けました。

日々進化する「心の拠り所」

お店に行くと、いつも気さくに話してくれるユウジさん。入り口の窓越しに挨拶を交わすと、不思議と家に帰ってきた時のようにホッと一息つくことができる。そしてコーヒーが出来上がるまでの時間は、定番の近況報告タイム。どんな人でも歓迎してくれるユウジさんの人柄が、自然と“TALKS”を生み出しているように感じます。常連さんが多い理由も、きっと人との繋がりを大切にされているユウジさんに「安心感」を覚えるためでしょう。

そんな心の拠り所である傍ら、頻繁に新商品が加わり、より多くの人を惹きつけていく「斬新さ」が光るところもCOFFEE TALKS KAMAKURAの魅力の一つです。

「これからも人々の生活に寄り添いながら、更に地域に還元していけるようなお店づくりを目指します。」

そう語るユウジさんの次なるアイデアはどんなものなのか。日々進化し続けるCOFFEE TALKS KAMAKURAの今後が楽しみです。

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