地球の恵みを味わい、楽しむ場所。書道家・武田双雲が鵠沼海岸からオーガニックを発信。

湘南在住の書道家・武田双雲さんが「Chikyu(地球)」を鵠沼海岸にオープンしました。ロゴマークに「地」という字の土偏をあしらっているこのお店は、オーガニックにこだわったメニューを展開。どれもバランスの取れた美味しさを持っています。

「自分が一番食べたい素材を世界中からかき集めて、“オーガニック研究所”みたいにしていけたらいいな、と思っています」と双雲さん。数々のアートワークで知られる彼が、なぜオーガニックカフェを開いたのか。すこし紐解いてみることにしましょう。

今から5年ほど前、双雲さんは体調を崩された時期を通して、オーガニック食材への興味を持つようになりました。徐々に変化していく体質や、食材の美味しさに感銘を受け、近年はオーガニックがすっかりスタンダードになっているそう。

「アメリカに行くたびに寄っているオーハイという街があるんですが、このオーハイでは至るところにオーガニックの美味しい食べ物があるんです。そして、このオーハイに行って食事をすると、日本に帰ってからも体調がすこぶる良かったんですよ」

欧米では一般化していても、日本での生産量は1%にも満たず、まだまだ浸透していないオーガニックな食文化。それならば自分たちが発信しよう……この想いこそが、「オーガニックカフェギャラリー地球」の原点となっています。

ワインなどのドリンクもオーガニックを基本線にラインナップし、自然栽培の野菜はご縁があって知り合った藤沢の農家さんから仕入れています。ふかふかでホカホカな土で育った野菜を口にして、双雲さんはその美味しさに感動を覚えたそう。

また、自身が全国を巡る中で出会ってきた逸品の数々も使用。日本中からオーガニックなものが集結しています。

今回いただいたのはキーマカレーセット。シェフのエディーさんがこだわり抜いたスパイスの調合は絶妙で、1皿食べ終わったとき、程よい辛さが口の中に残ります。セットのサラダやスープも食に楽しさを添え、ワンプレートの調和をお楽しみください。

また、湘南の自然栽培野菜を使ったコールドプレスジュースも絶品。この日いただいたニンジンのジュースは予想外の甘さで、人々を驚かせていました。豊富な栄養をギュッと濃縮した1杯で食事を締める……というのもいいかもしれませんね。

ちなみに、金・土曜日はディナーの提供も行っています。デイタイムとは違ったメニューを出しているので、ぜひ足を運んでみましょう。

熊本で生まれ育ち、大学進学をきっかけに千葉へとやってきた双雲さん。憧れの地だったという湘南に遊びに来ることもありましたが、まさかその街で書道家としてのキャリアを始めるとは思ってもいなかったそうです。

「湘南で書道家を始めるとも思っていなかったし、ましてやお店を開くなんて考えてもいませんでした。自分と街とが切り離せないというか、だんだんと一体化してきてるような気がしますね」

双雲さんにとって、湘南は自身の土壌だといいます。これまでの作品に対するインスピレーションや、お店を開く中で得た仲間や食意識を与えてくれた場所であり、それらが再び創作活動に刺激を与えて、よりパワーアップしているそう。

「湘南って海もあれば畑もあるし、それでいてハイセンスな人が多くて、田舎でもなければ都会でもないんですよね。バランスが良くて、ユルい空気感もあって、そしてオシャレ。子どもを育てるにも最高の環境だし、一生住みたい街です」

「適度な刺激と適度なユルさがあるし、移住組と地元組もそれぞれうまく合わさっていて、世界中どこにもない湘南だけの個性を生み出していると思います。まだまだ僕の知らない“ニュー湘南”に出会うのが毎日楽しみで仕方がないですね」

鵠沼海岸を日本のオーガニック文化の最先端に。そう思えるのは、自らが愛する街だから……そう語る双雲さんの目元は、ゆるやかなカーブを描いていました。

 

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