自分好みの帽子にきっと出会える、セミオーダーも可能な帽子店。

上質な素材に丁寧な仕立てが、凛とした佇まいの帽子。それでいて普段着にも合わせられるベーシックなデザインは、被る人のスタイルにスッと馴染んで、その人らしさを引き出してくれます。

帽子作家の佐敷 章(さしき あき)さんがつくるのは、そんな洗練されたフォルムが魅力の大人の帽子。

  • ▲ しなやかで上品なシルエットのラビットのキャノチエは男女問わず使えます

  • ▲ 上質なハリスツイードでつくられた耳当て付きキャップ。見た目こそ個性的ですが被ると意外にも馴染んでとにかくカワイイ

実際に被ってみると、そのつくりの良さは言うまでもなく、今まで似合わないと思っていたキャップやキャスケットだってあら不思議。今日のコーデに違和感なくフィットして、むしろワンランク上がったような装いに。目の肥えたバイヤーや人気セレクトショップのオーナーにも愛用者が多いというのも頷けます。

  • ▲ 羽根をポイントにあしらったハリスツイードのチロリアンハット

佐敷さんが営むアトリエ兼帽子店「Sashiki」は、茅ヶ崎にオープンして12年。海側の鉄砲通りにあった創業当時のお店から、現在の北側に移転して3年目を迎えました。落ち着いた空間が心地よい店内には、セミオーダーも可能なオリジナルの帽子をはじめ、インポートのバッグやジャパンメイドの靴、アクセサリー、ストールなど、佐敷さんセレクトの雑貨やファッションアイテムがセンスよく並びます。

今の季節はウールやラビットなどのあたたかな素材を使ったハットやボーラー、ツイードやフラノ生地でつくられたキャップやキャスケットなど、冬の装いにピッタリのあたたかな帽子に出合えます。

  • ▲フィンランドのテキスタイルデザイナー、ヨハンナ・グリクセンのバッグも充実

  • ▲神戸にアトリエを構える「RU」のVIEILLEシリーズから、エナメルのプレーントゥ(左)、エナメルのリボンタイプ(中)、ゴートレザープレーン(右)

  • ▲ 神戸にアトリエを構える「アトリエダンタン」のアクセサリー

  • ▲ 東京・八王子の織物工場から誕生したテキスタイル・ブランド『COOVA』の縮みタータンチェックのストール。軽くてあたたかな使い勝手のよさが魅力

季節の帽子を楽しむことで、ライフスタイルが豊かに。

素材の特徴を活かした季節の帽子を手がける『Sashiki』、その最大の魅力は何と言っても自分好みの帽子をセミオーダーできること。サイズや素材はもちろんのこと、ツバ幅やリボンの種類、結び目のカタチまで細かくオーダーできるその自由度は、アトリエを併設する同店ならではのサービスです。

  • ▲ リボンのサンプルの一部。アトリエを併設しているのでサイズや素材からリボンの種類、結び目のカタチまで細かくオーダーできるのが魅力

  • ▲ オーダーの際に羽根をつけることも可能です

「驚かれることもあるんですが、一度オーダーいただいたお客さまのことは意外と覚えているんです。何気ない会話からその人の好みやサイズを思い出して、カタチやリボンで迷っている方には普段の服装や髪型を聞いてアドバイスしたり。出来る範囲ですが、被る人のライフスタイルに寄り添うような帽子を提供したいと思っています」と佐敷さん。帽子だけが目立つのではなく、その人のスタイルを引き立たせる、言わば名脇役のような帽子を目指しているそうです。

  • ▲ やわらかな素材のラビットのソフト帽はトップがカッチリ型押ししていないので、自分好みのカタチにつくって楽しめます

季節がめぐり、新緑が芽吹く頃には、新作をはじめとする夏の帽子が店頭にお目見えするそうですが、寒さが厳しくなるのはまだまだこれから。落ち着いたトーンの洋服が多くなりがちなこの季節、いつもの洋服に合わせるだけでワンランク上のコーディネートにしてくれる、アナタだけの冬の帽子を「Sashiki」でぜひ見つけてみてください。

  • ▲ 上質なハリスツイードがカジュアルさの中にもシックで上品な佇まいをみせるマリンキャスケット

茅ヶ崎の“自由な気風”がもたらした、自分らしい暮らし。

茅ヶ崎へ移住して、まもなく13年目。そんな佐敷さんの出身は湯布院で知られる大分県です。文化服装学院でファッションを学ぶために上京したそうですが、卒業後、帽子作家の草分けである平田暁夫さんの帽子教室へ通ったことをきっかけに帽子づくりの道へ進みました。

「帽子って、工芸と洋服の間にあるモノだと思うんです。雑貨でもあり、道具でもあり、アパレルでもある。帽子としての被りやすさはもちろんですが、モノとしての美しさや佇まいの良さも大切にしたいと思うようになりました」と話す佐敷さん。

その後は某デザイナーズブランドの帽子を制作する会社で腕を磨き、2006年に独立して自身の名前を冠したブランド『Sashiki』をスタート。ドライブで度々訪れていたという茅ヶ崎の“自由な気風”を気に入り、縁もゆかりもない茅ヶ崎へ移住、アトリエ兼帽子店をオープンしました。

  • ▲ 北口から5分ほど歩いた路地裏にある帽子店「Sashiki」。うっかりすると見落としてしまいそうな可愛らしい看板を見つけたら、階段を上がって2階へどうぞ

「茅ヶ崎に移住してお店をはじめたころは、なんだか周りから責められているような気がしたんです。なんでそんなに忙しいのって、忙しくしていることが悪いみたいな。茅ヶ崎に暮らしている人は良い意味でマイペースな人が多いんですよね。以前は仕事に合わせて生活をしていましたが、茅ヶ崎に来てからは生活スタイルに合わせて仕事ができるようになり、今では茅ヶ崎の友だちと食事をする余裕も生まれました」。

茅ヶ崎に暮らすうちに仕事のあり方や生活のし方を見つめ直すことができたとも話してくれた佐敷さん。茅ヶ崎の、自由でゆったりした気風は、暮らしに変化をもたらしてくれる不思議なチカラがあるようです。

  • ▲ 国産ブランド『KARMAN LINE』の靴下(右)とフランスのブランド『Wisp』の手編みのヘアバンド(左)

  • ▲ 特別な日の装いにプラスしたいオリジナルのカクテルハットやヘッドドレスも手がけています

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