元銀行の金庫室で体験する“カカオガストロノミー”「ROBB」

鎌倉の銀行跡地にある「CHOCOLATE BANK」。店内に今も残る“金庫室”の場所に、ガストロノミーレストラン「ROBB(ロブ)」があります。

「ガストロノミー」とはフランス語で「美食」。優れたテクニックを持つシェフが、上質な素材とクリエイティビティを駆使して美食を追求するレストランが“ガストロノミーレストラン”です。

ROBB」が提供するのは、カカオを主役にしたフルコース。通常はカカオ=チョコレートのイメージですが、チョコレート以外の新しいカカオの楽しみ方を提案したいという想いからスタートしたそうです。

重厚な鉄扉の奥に、秘密の空間が広がっていた

CHOCOLATE BANKの店内にある重厚な鉄扉、まさにこの“金庫の扉”が「ROBB」の入口です。扉の奥は元銀行の金庫室ならではの非日常を感じる空間が広がります。私は何度も来店したにもかかわらずこの扉に全く気が付かなかったのですが、スタッフの方が料理を運んでいる姿を見てお店の存在を知る方も少なくないそうです。

提供される料理は1日4組限定のフルコースのみ。カップルで記念日のお祝いをされる方や、家族で気兼ねなく過ごしたいとご来店される方が多いそうです。

新しいカカオの楽しみ方を教えてくれる! カカオガストロノミーを初体験

今回提供されるのは、鎌倉産の野菜やベーコンなどを使った、“新しいカカオの可能性”が体感できるフルコース。

まずは、カカオ豆からチョコレートになる工程のカカオを楽しめるというワンプレートから。ROBBを運営している「MAISON CACAO」がコロンビアに自社農園を持っているゆえ実現できる貴重な体験です。衝撃的な味わいだったのが一番右のカカオ豆。発酵させて自然に乾燥させた貴重なカカオ豆の中に入っている生のカカオニブを実食させてもらいました。香ばしく力強いカカオの香りが口に広がり、強い酸味を感じました。

コースにはお食事内容に合わせた4種のティーペアリングがついています。プラス1,500円でアルコールのペアリングにも変更可能です。こちらのお茶は世界最古の紅茶と呼ばれている「ラプサンスーチョン」。茶葉を松の実で燻しており、スモーキーな香りが口いっぱいに広がります。※時期によりコース、ペアリング内容は変わります。

カカオニブをまぶしたカリカリのベーコンをカカオビネガーで味付けされたマヨネーズに合わせていただきます。ほろ苦いカカオニブが甘みのあるベーコンと相性抜群です。

お次は華やかに盛り付けられた鎌倉野菜のサラダ。香辛大根、蕪、パクチー、紫大根、黄人参、紅くるり大根、ビーツと、7種類ものお野菜が使用された色鮮やかなサラダは、フルーティーで爽やかな味わいのカカオビネガードレッシングで味付けされています。ミネラル豊富な鎌倉で育ったお野菜はみずみずしく、甘みがあります。添えられているのはカカオニブが入ったキャラメルチュイール。パリパリとした食感と程よい甘さでおやつにも良さそうです。

米ナスを素揚げし、ひよこ豆のフムスペーストが添えられた一皿。カカオニブ、ブリューイング、カカオニブを上からかけてクミン、コリアンダーといったスパイスの効いたソースで仕上げています。肉厚でジューシーな茄子は野菜本来の甘みを最大限に引き出されており、今まで食べた茄子とは全く別物。感動と興奮が止まらないボリューム満点の一品でした。

合わせていただいた生プーアル茶はまるで日本茶のようにすっきりとしていて苦味のある味わいで揚げ物にぴったりの一杯でした。

こちらはチョコレートシェイブアイス。口の中でふわっと消えてしまうシェイブアイスの中からタイムのアイスクリームがお目見え。ハーブの爽やかな味わいがお口直しにぴったりです。

コロンビアの自社農園で作られたこだわりの濃厚チョコレートを堪能

コースのフィナーレにフォンダンショコラが登場。中にガナッシュが入っていないフォンダンショコラは外側が焼き上がった瞬間に型から抜き、中のチョコレートをレアの状態で提供します。

ナイフを入れると、カカオ70%の濃厚なトロトロチョコレートが流れてきました。アクセントとして添えられている刺激のある山椒パウダーがチョコレートとの美味しさをより一層引き立てます。温かい玉露ほうじ茶でほっこりいただきました。

お店のインテリアや食器など細部にまでこだわりが感じられる特別な空間で、魔法のような体験をさせていただきました。まさにカカオの可能性は無限大! と感じられる創意工夫を凝らしたカカオガストロノミーを楽しめるのはここだけ! 未体験の方はぜひ足を運んでみてください。

  • 店長の藤田さん。チャーミングなお人柄と素敵な笑顔が印象的でした。

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