天然のアスレチックコースにある平塚吉沢「魔王の滝」を目指して

湘南で秋を楽しむなら……やっぱり海? ではありません! 海が近い湘南ですが、平塚市西部の吉沢(きさわ)地区には豊かな里地里山が広がっています。富士山や大山などの山々の風景、相模湾や江ノ島の海の風景、段々畑が織り成す美しい農地の風景などなど、多種多様な風景を楽しめるのが“ゆるぎの里「きさわ」”です。

オススメのビューポイントは、産官学民協働のプロジェクトにより選定された8ヶ所の「吉沢八景」。知る人ぞ知る絶景のビューポイントの中から厳選されたスポットは、どれも湘南にいながら里地里山の風景を堪能できます(詳細は公式サイトで!)。そんな吉沢八景を堪能すべく、1〜2時間のショートハイキングコースをぶらりと旅してきました。

ぶらり旅のスタートは平塚駅北口から

湘南にいながら山歩きを楽しめる? さらに往復2時間くらいでハイキングができる? しかも特別な登山装備はいらない? 行ったことのある人に聞けば聞くほど、惹かれてしまう“ゆるぎの里「きさわ」”。軽装OK!とは言われながらも、スポーツウェアを着てバイク用のブーツをひとまず履いて、平塚駅北口のバスロータリーに向かった。飛び乗ったのは「神奈川大学」行きのバスだ。「神戸(ごうど)」のバス停で降りて、吉沢八景めぐりのスタート地点である「吉沢公民館」の前にてスマートフォンで(吉沢八景のウェブサイトで公開されている)マップの確認をすることに。

目指すは「魔王の滝」。

あらかじめ8ヶ所の吉沢八景について下調べはしていたものの、周囲を見渡すとすべてを徒歩で回るには少し厳しいかもしれないと直感が告げる。一度経験していれば違ったのかもしれないが、ひとまずの目標を別名「魔王の滝」と呼ばれている「霧降りの滝」に決めた。調べれば、滝の傍らに不動明王の石像(座標)が据えられているからの別名由来だそうで、妙にそそられる。吉沢公民館から魔王の滝に行くコースを見ると、2つの吉沢八景も見ることができるので、魔王の滝を目指して進んでいった。

吉沢八景の「吉沢の里地」と「八剱神社」に到着

地元平塚で秋の紅葉をめぐるハイキングに出かけたことはあっただろうか。道しるべを頼りに歩きながら目に映る一つひとつの景色は、自然そのままの美しさだ。吉沢八景である「吉沢の里地」と「八剱(やつるぎ)神社」は、ほぼ同じ場所にあるため、歴史の深さと景色の美しさを一緒に堪能できるビューポイントであった。

中間地点の「吉沢の池」に到着。そして、その先には…

さらに先を進むと、農業用水の溜池として作られた「吉沢の池」に到着。ここが魔王の滝への入り口だ。入った瞬間、まず思ったのが「ブーツを履いてきて本当によかった」ということ。“天然のアスレチックコース”のようなハイキングコースを歩きながら、緑いっぱいに包まれた景色の中を進んでいく。視界のすべてが緑に包まれるという経験を湘南で味わえることに興奮しながら、先へ先へと更に進んでいくと……目の前に「魔王の滝」が。

  • 取材前日は雨。そのため水面は濁ってしまっていた…

荘厳な気配に飲み込まれる「魔王の滝」

ビー玉がこぼれるように、清流が静かに一枚岩を流れ落ち、心地よい水の音が辺りを包む。右手奥の岩肌中腹には、高さ50センチほどの不動明王の石像がたたずんでいる。水が霧のように流れ散るような様から名付けられた霧降りの滝は、圧巻の景観だった。案内看板によると、「天保4年(1833年)に建立された『霧降瀑の碑』によれば、このころから名瀑(めいばく)として知られていた」と説明がある。185年以上も前から世代をつなぎ、名所として伝承されてきた歴史を知り、「次は子どもと一緒に来よう」。帰り道を歩きながら、そう強く思ったぶらり旅であった。

道しるべが各所に設置してあり、初めての“きさわ”でも安心

「霧降りの滝(魔王の滝)」から「吉沢の池」に出ると、バス停までの帰り道が表示されています。実は今回、スタートから帰りのルートまで、用意していたマップはほとんど見ることがありませんでした。吉沢八景めぐりのコースには何ヶ所も「道しるべ」が設置されており、初めての人でも迷わずコースをめぐることができます。平塚駅からバスに乗って(平塚の)駅に帰るまで、約2時間のショートハイキング。湘南の秋は、山もオススメですよ!

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