独り占めしたくなる空間。緑と本と美味しいコーヒーが待つ「cafe kaeru」。

鶴岡八幡宮を中心とした鎌倉市街から少し離れ、二階堂の路地を進むと、隠れ家のような一軒家カフェ「cafe kaeru(カフェ・カエル)」のメニューボードが目に入ります。門をくぐると緑に囲まれた庭にワンちゃんOKのテラス席、店内には様々な本と居心地のいい木製家具、そしてあちらこちらに可愛らしいカエルのオブジェ。

鎌倉ランチは二階堂の隠れ家カフェで。素材の味を活かしたどんぶりをいただく。

メニューのコーヒーは2種類。コクと苦みが楽しめる「きたかまブレンド」と軽い酸味とさっぱりした味わいの「kaeruブレンド」。濃いめが苦手な筆者は今回「kaeruブレンド」をいただきました。香ばしい薫りと苦味のないさっぱりとした味わいがとても飲みやすく、思わずおかわりしてしまいそうでした。

ちなみに、コーヒー豆はオーナーご夫妻が惚れ込んだ北鎌倉の「石かわ珈琲」が焙煎したものを仕入れているとのこと。

キッチンで料理を作るのは奥さまの美江さんとお嫁さんのはるなさん。人気メニューが並ぶ黒板を見ながらしばらく悩んで「季節野菜のどんぶり」をいただきました。

ソテーされた旬の野菜は素材の味がしっかりと生かされており、凝縮された野菜の旨みと醤油ベースのたれがご飯に絡まり、絶妙の美味しさを演出。メニューは日替わりや週替わりなど、お客様のオーダーを見ながら変更しているそう。

ここだけ時間がゆっくりと流れているような、静かでホッと落ち着ける空間が魅力の「cafe kaeru」。今年でオープンから丸8年を迎えます。

「店の名前はいくつか候補がありましたが、昔から好きで集めていたたくさんのカエルコレクションから決めました」とオーナーの五十嵐さん。五十嵐さんは元はサラリーマンでしたが、この場所で以前から奥様が料理を教えていたということもあり、定年を機にお店をオープンさせたとのこと。

また、はるなさんが店のオープン前から不定期で更新しているブログも要チェック。季節や自然、時間や自分をありのままで楽しむ様子が伝わってきそうな、心に響く文字が並んでいます。お店にはそのブログが一冊の本になって置いてありますので、是非ページをめくってみましょう。

おでかけついでにふらりと。二階堂散歩の小休止に、そして人々とのつながりの拠点に。

毎年、カフェとしては長めの夏休みがありますが、「子供が夏休みに入ることもあって、無理のないようにのんびりと(お休みを)いただいています」とはるなさん。その自然体のスローライフがそのままお店の居心地の良さに繋がっているのですね。

そんな心地良さを求めて訪れるのは観光客だけではなくご近所の方、お子さんやご年配の方までファンの年齢層も幅広く「ふらっと立ち寄ってもらえるような店であれば嬉しい」と話す五十嵐さん。不定期でガレージセールも行われ、人との繋がりを大切にしている思いが伝わってきます。

ゆったりとした居心地の良い空間で、四季折々に楽しめる庭の緑を眺めながらいつもよりほんの少しペースを落として食事やコーヒーを味わう。大切な人との時間、自分だけの時間、普段の忙しさから束の間抜け出して大切なひと時を過ごしてみませんか?

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