毎日通っても楽しい生地屋さん。ナチュラルファブリックの優しい世界が広がる 「kamakura SWANY」

イングリッシュガーデンのようなロマンチックな庭が、周囲とは一線を画す雰囲気を醸し出している一軒のお店。ここだけ見ると一体何屋さんなのか分からないのですが、奥からはかわいらしいナチュラルムードの洋服がかかっているのがちらりと見えます。創業以来、鎌倉の地で愛され続けている、知る人ぞ知る生地屋さん「kamakura SWANY」です。

独自のセンスと世界観が魅力で、1968年の開店当初から通い続けるお客さんも多数いるとか。そんな根強いファンに支持され続ける「kamakura SWANY」。人気の理由を探ってきました。

直接現地で買い付けるこだわりファブリックが揃う

お店は全3フロア。1階には季節の生地やイチオシの生地が並び、2階には手芸やハンドクラフト向きの生地や小物、3階には海外で買い付けた生地を種類豊富に揃えています。

綿や麻といった自然素材にこだわっているのもkamakura SWANYの特徴。これらの生地はオーナーの山本悠介さんをはじめとしたスタッフの方々が現地で買い付けを行っています。なかなか市場に出回らないリネンや、高クオリティの生地もリースナブルに提供しています。

  • Libertyなど海外の有名ブランドも揃う

  • バラや小花のモチーフが愛らしいCath Kidstonの生地

1階の売り場は特に見てほしいと山本さん。
「ここには日本全国の工場に足を運んでいるからこそ手に入る、レアな生地が多くあります。掘り出しものも見つかるはずです」

なんと、毎日およそ10種類以上は新商品が入荷されるそうで、店内は常に入れ替わっている状態。頻繁に通うお客さんも、飽きることなく楽しめます。

  • 厳選した生地を見せてくれるオーナーの山本悠介さん

  • 1階には掘り出し物がざくざく!

インスピレーションが湧く空間から、モノづくりの楽しさを

店内には、販売している生地で作られた洋服や小物も多く展示されています。生地からどんなものを作ったらいいのか分からないというビギナーのお客さんも意外と多く、イメージの手助けになればと始めたものだそうです。驚くべきはそのサンプルの数。アトリエで月に300~400点もの作品を作り、展示しているのだとか。

  • インナー・エプロン・バッグの組み合わせがかわいい!

アトリエはkamakura SWANYの心臓部分だといいます。
「作品は生地を選ぶお客様とのコミュニケーションでもあります。日ごろからアンテナを張ってお客様を観察することで、どんなものを提案すれば喜んでくれるのかを考えているんです」

  • 店内に展示する服や小物は「型」から企画  

  • お店のすぐ近くに構えているアトリエにて

改めてお店に並んでいるたくさんのサンプルを眺めていると、「この布でどんなものを作ったら素敵か…」と、一緒に考えてくれているように思えました。自分一人では思いつかなかったような使用方法もあり、創造性も磨かれるような空間です。

お店の一階には、スタッフによる作品のパターンをまとめたファイルが置かれています。作品に番号が振られていて、お会計の際にその番号を申し出れば、1,000円買うごとに1つ、パターンをプレゼントしてもらえるのです。

  • 1000円につき、店内にある作品のパターンを1つもらえる

  • 白い生地も質感によって、向いている服が異なる

kamakura SWANYでは、スタッフによる洋裁教室が開かれていて、選んだ生地をもとに洋服などを作ることができます。生地を販売するだけでなく、そこからモノを作る楽しさまで提供しているのです。

通常の洋裁教室のイメージでは、作るものがある程度決められてしまいますが、ここでは何を作るかは自由。スタッフの方がそれぞれに合わせてアドバイスしてくれます。生地の使い方の可能性を広げてもらえます。

  • 自分の体に合うように型の引き方をスタッフの方が丁寧に教えてくれる

オリジナルなセンスが光る、今も昔も。

お店の開店は1968年、山本さんの祖母である秀子さんがお店を立ち上げたのだそう。当初から通い続けるファンも多くいるといいます。

「開店当初の頃をよく覚えています。私が中学生くらいの時。ひときわ目を引くかわいいお店で、いつも店内は人でいっぱいでした」とアトリエで30年以上働くスタッフのかたが教えてくれました。

  • 「毎日かわいいものに囲まれているので幸せです。思いのほか生地は重いので力仕事も多いですが(笑)」

「祖母はゴーイングマイウェイな人で、単純に自分の好きなものを並べたいという人でした」と山本さんは言います。独自のセンスとその世界観に、多くのファンがついてきたのです。

山本さんもあえて枠には縛られずに、現地で見て直感的に良いと思ったものを置くようにしているとのこと。ルールに捉われない自由さと確かな審美眼によって選ばれた生地に今日も変わらず多くのお客さんがときめいているのです。

もう1つ、こちらのお店を訪れたら、ぜひ屋上へ行ってみてください。そこには、美しい花々とかわいらしい小物が配された素敵なガーデンが…。買い物の合間に優雅なひとときまで楽しめちゃうんです。

  • 秘密の花園のような屋上庭園

お客さんが通い続ける理由。それは“生地、そして感性との出会いを楽しんでほしい”という創業当時からの強い想いが脈々と受け継がれ、常に驚きと感動を与えてくれるからなのかもしれません。

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