冒険の先にたどり着いた特別な場所。アパレル&アクセサリーブランド「ONE KAMAKURA」

漁港のあるのどかな町・腰越に、アパレル&アクセサリーのオリジナルブランドがある。それだけでもとても気になるのですが、なんでもそのブランドのショップ兼アトリエ、ちょっと特別な場所にあるのだとか。

どういうことなのか、スマートフォンのマップを頼りにショップに向かいます。江ノ電・腰越駅のすぐ近くのようなのですが、マップは民家の庭を通るよう指示。地図ではお店は線路沿い、でもそこにたどり着く道がない…。一体どこにお店が?よく見ると線路脇にギリギリ歩けるくらいのスペースがあります。まさかと思いつつ、そこを歩いていくと… 遂に発見しました。

「ONE KAMAKURA」は、一度訪れると「また来たい」と思わずにはいられない、そんな特別なお店でした。今回はその魅力をご紹介できればと思います。

宝箱のようなショップ兼アトリエ

「ONE KAMAKURA」に来るまでに、既に小さな冒険をしてきたような高揚感に包まれるのですが、それだけでは終わりません。ショップに入ると、そこには天然石を使用したアクセサリーや遊び心をくすぐるようなデザインのアパレルがぎゅっと詰まっているのです。自分だけの宝箱を見つけたようなワクワク感を覚えます。

「分かりにくい場所までありがとうございます(笑)。ゆっくりしていってくださいね」と笑顔で出迎えてくれたのが、「ONE KAMAKURA」を立ち上げた修平さんと真由美さんご夫妻。お二人の自然体で温かな雰囲気に、一瞬にして引き込まれていました。

自然への感謝を自分のフィルターを通して届ける

アパレルのデザインを手掛けるのがご主人の修平さんです。Tシャツやフーディー、スウェットパンツ、キャップなどストリート系のアイテムを中心に展開。染めやプリントを施したオリジナルのアイテムには、海や植物、生物などの自然が表現されています。

「僕らのブランドは『地球,海や太陽などの自然一つ一つに感謝をしながら…ONEを通じて形となる』というコンセプトがあります。ONEは自然であり、それは自分でもあるんですよね。出会った風景、環境への想いを自分のフィルターを通して、デザインに落とし込んで皆さんのもとに届けているんです」と修平さん。

例えば、あるデザインには、海としらす、そして漁に使うトロール網、そしてサーフボードで描いたひまわりが描かれています。こうしたモノづくりについて、修平さんは「海が身近にあるこの地で暮らすということで、自然に対する感謝を日々感じるんです。そうした想いをアパレルを通して、皆さんと共有したいという気持ちなのかもしれません」と話します。

  • 外側に鳶、しらす、トロール網、中央に向かって海と富士山、そしてサーフボードで描いたひまわりがデザインされているTシャツ

  • Tシャツ、フーディー、キャップなどが並ぶ。キッズサイズのTシャツなどもあり、親子で着用する方も多いのだとか

期待された世界感を表現できる、それが嬉しい

奥様の真由美さんは、アクセサリーを手掛けています。天然石や真鍮などを使用したピアス・イヤリング、イヤーカフ、リング、ネックレスなどは、どれも神秘的で自然の美しさやエネルギーを感じさるものばかり。

「自然にあるフォルム、色、質感などからインスピレーションを受けて作品づくりをしています。ふと見た雲や葉っぱからアイデアが生まれて、それを石に重ねることで作品になったり…」と真由美さん。

真由美さんを通して生み出される作品へのファンは多く、風景写真からアクセサリーを作ってほしいというオーダーが入ることもあるのだとか。「とっても難しいですけどね(笑)。でも、自分に期待してくれていること、自由に表現できることが嬉しいんです」

  • 真鍮のモチーフと天然石のピアス。気分によって真鍮のモチーフを取り外すことも可能

  • 1つ1つ異なる石の色合いや模様、形を活かし、真鍮などの素材と併せて真由美さんの心にある自然風景を表現したアクセサリー

2つの個性が1つのブランドに

自然への感謝というコンセプトはあるものの、それぞれの世界観が強く出ていることに関して修平さんは当初はデメリットになるのではと考えていたそうです。
 
「でも、やってみたらマユさん(真由美さん)の世界感が好きな方がいて、僕のアパレルを気に入ってくださるファミリーがいて、いろいろな方が訪れる場所になっていました。それが『ONE KAMAKURA』の強みにもなったのかなと」
 
修平さんのアパレルと真由美さんアクセサリー、それぞれの個性が「ONE KAMAKURA」という1つのブランドとして発信されている、それも大きな魅力なのです。
  • 「ONE KAMAKURA」のブランドを象徴する太陽と海も2人を通すことで違った世界観に

人々がワクワクする場所へ

少し訪れにくい場所にあるにも関わらず、さまざまな方がやってきては、友人宅に遊びにきたように楽しそうに過ごしていかれるというこちらのショップ兼アトリエ。今日はどんな商品に出会えるのだろう、修平さんと真由美さんとお話でもしていこうかな、と心弾ませてやってくる方も多いのではないでしょうか。

アトリエ兼ショップをオープンしてから約4年、湘南で開催されるイベントや百貨店などでの催事出店なども通じて多くの人と触れ合ってきたお二人。「あるイベントに来てくれたお客さんがお友達を連れてきてくださることも多くて。お客さんが輪を広げてくれていて、本当に嬉しいですね」と修平さんは話します。

  • アクセサリー作りのワークショップも開催している

  • Tシャツの染め体験や、シルクスクリーンプリントのワークショップには親子での参加も多いそう

腰越が変えた価値観

お二人が腰越に移住したのは、今から9年前のこと。それまでは東京で暮らしていたそうです。

大手アパレルで働いていた修平さんは、やりがいを感じる一方で数字のことばかり考える日々に疑問を感じるようになっていたと言います。「アパレルは好きだけど、お客さんの顔が見えなくなっていたんです。お客さんのことを考えて、お客さんと対話をして洋服を届けたい。そんな想いが強くなっていましたね」

真由美さんはアクセサリーづくりをしていたのですが、都会での生活に息苦しさも感じるようになっていたそうです。そうした中で、この地の雰囲気に惹かれてお二人は腰越へやってきます。真由美さんは「この土地での暮らしの中で、自分が背負っていた余計なものがそぎ落とされていくような感覚というか、すごく自然体でいられるようになったんです」と話します。

自身のブランドをつくり、お客さんに届けることを始めたことで、修平さんの気持ちにも大きな変化が生じます。「『ONE KAMAKURA』というブランドを通して、人へ届けるという感覚を持てるようになりました。その人が、わざわざ買いに来てくださって、手に取ってくださって、喜んでくださる、その場所にいられることが最高に幸せです」

さらに「この腰越という場所は、支え合う文化のようなものがあって、人と人との関わりなど大切なことを取り戻させてくれたような気がします」と修平さんは話します。

  • デッキは、お客さんやご近所さんとの交流の場。晴れた日には、みんなでコーヒー片手におしゃべりするなんてことも

環境や気持ちの変化を楽しみながら進んでいく

お二人に、今後の目標やビジョンをうかがってみました。

「より露骨な自然を表現したいという想いがあります。でも、明確にこれというものがあるわけではなくて…。その時々によって、やりたいことは変わっていくと思うんです。だから、その時の感覚を大切にしながら、自分らしくやっていけたらいいなと思います」と真由美さん。

「アパレルでは型から作っていきたいという想いがあります。そうすることで、より多くの表現ができ、皆さんに楽しんでもらえるかと思うので。でも、僕もあまり先の目標は決めていません。今の状況もそうですけど、いろいろな環境の中で変化する。その時に出てきたものが『ONE KAMAKURA』になるのかな、なんて思っています」と修平さん。

修平さんと真由美さんから生み出されるすべてが「ONE KAMAKURA」なのです。それは、今とはまったく違う形になるかもしれません。ですが、それがどんなふうに表現されるのか見てみたいと強く思いました。

線路の先にある、秘密基地のような「ONE KAMAKURA」。明るく、自然体な修平さんと真由美さん、そしてお二人がつくりだす素敵なモノたちに会いに行ってみてはいかがでしょうか。そこには、きっとたくさんのワクワクが待っているはずです。

  • 鎌倉在住アーティスト・KAOKAOPANDAさん(中央)とコラボレーションした展示会を毎年開催

  • 流木に天然石を埋め込んだフレームとKAOKAOPANDAさんのアートのコラボ作品

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