旅好きの店主がたどり着いた場所。鎌倉・稲村ヶ崎の日常風景に溶け込むカフェ「COTON(コトン)」

七里ヶ浜と由比ヶ浜の間に位置する稲村ヶ崎。一見お店自体があまりなさそうに見えるこのエリアですが、実は隠れるようにカフェが点在している隠れカフェ激戦区なのです。

そんな稲村ヶ崎駅近くに20202月にオープンしたのが、アジアご飯とこだわりの珈琲を提供するカフェ「COTON(コトン)」。開店して間もないにもかかわらず、昔からそこにあるかのように地域に馴染む印象のこのお店は、ランチタイムには地元民を中心に賑わいます。

今回は、店主の根崎祥(ねざきさち)さんにお話を伺いました。

旅から受けた影響

COTONの店内は、どこかアジアを感じさせる雰囲気。壁際の棚には、根崎さんが海外で買い付けてきた小物やハンドメイド雑貨や、もともと自分の部屋にあったという、根崎さんの好きなものが並べられています。

  • 友人が手がけてくれたロゴは、稲村ヶ崎の夕日をイメージ

  • 海外で買い付けた小物類はホームページからも購入できる

根崎さんは一人旅好き。学生時代は国内中心でしたが、社会人になってからは海外にもよく行くように。アジア雑貨が好きだったことから、そのルーツの国へ行ってみたいとアジア圏の国々へ。中でも食事の波長があうという台湾やベトナムが好きでよく訪れているそう。旅先ではゲストハウスに泊まり、食べてみて美味しかった料理は、現地のかたとの交流も兼ねて、作り方を教えてもらっていたとのこと。

その時に教わったレシピがアレンジされて、現在のランチメニューの中心に。台湾で教わったというルーローハンが一番人気で、お店の看板メニューになっています。

  • 独自にアレンジされたアジアご飯などが提供される

  • 一番人気はルーローハン、一部のランチメニューは事前注文でテイクアウトも可能

心地よく過ごせる“場所”をつくりたかった

もともと、特にカフェをやりたいわけではなかったという根崎さん。学生時代に管理栄養士の資格を習得、卒業後は資格を活かした仕事をしようと、調剤薬局で働きます。

「ご近所さんが、血圧を測りにくるだけとか、特に用もないのにふらっと立ち寄っておしゃべりしていったりして、心地好さそうに過ごしていたのが印象的でした」

そんな光景を見ているうちに、自分自身の手で地域の人々がふらっと立ち寄れて心地よく過ごしていくような“場所”をつくりたいと考えるように。根崎さんの実家が飲食店という影響からか、ご飯をつくることやコーヒーが好きということで、カフェという形態でと思うようになりました。

店名の由来は、コットン(綿)のフランス語読みから。根崎さんの好きな綿のように、やわらかく包み込めるような場所にしたいという想いから命名されました。

  • 店内でイベントが開催されることも

  • 刺繍は近所の雑貨屋さんが縫ってくれた

師匠の故郷へと導かれて

カフェをやるのであれば、コーヒーはしっかりしたものを提供したい。そう考えた根崎さんは、かつて旅先で出会ったある人物のことを思い出します。その人物とは、鎌倉の梶原口にある「イマジネーションコーヒー」の店主である宝珠山(ほうじゅやま)さんでした。約5年ぶりに連絡を取り、さっそく宝珠山さんのもとへ向かいます。

「いつかカフェをやりたいから、いろいろと教えて欲しい」とお願いしてみたところ、快く受け入れてくれることに。まずはお店の窓拭き掃除などから始め、その後コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の扱い方・種類のことなどを親身になって教えてもらいます。技術的なことだけでなく、宝珠山さんとお客さんとのやりとりから、見て学んで吸収できたこともたくさんありました。

  • 豆はイマジネーションコーヒーから仕入れている

中学生の時に家族旅行で鎌倉に来て以来、根崎さんは鎌倉に惹かれていたとのこと。自然豊かなところや神社仏閣など古い建物が多いところが気に入っていて、どこでお店をと考えた際に自然と鎌倉でやりたいと思うように。

開店にむけての資金は貯めつつも、鎌倉でお店をという以外には具体的な構想はできてなかったのですが、2019年秋に宝珠山さんから「稲村ヶ崎駅からすぐの場所に良い物件がでている」という知らせを受けて一気に実現化に向けて動き出すことになります。

  • コーヒー豆だけの購入もできる

稲村ヶ崎は、宝珠山さんが生まれ育った町。知らせてもらったのは、かつて宝珠山さんがそこでお店をだせないかと希望していた物件でした。しかし、どちらかといえば北鎌倉など山側の鎌倉を想像していた根崎さんは、稲村ヶ崎駅には降りたこともなかったそうです。

とりあえず下見してみようと、稲村ヶ崎駅へと降り立った根崎さん。
「駅を降りて振り返った時に、細い道の先に見えていた海の景色に一目惚れしてしまいました」

教えられた物件自体も、もともと飲食店だったこともあり、それほど手を加えずにお店を始められそうということもあって「ここでお店を」と決心します。

  • お店は稲村ヶ崎の駅から徒歩20秒ほどの立地

  • WELKAM(ウェルカム)のグッズも取り扱う

鎌倉への移住者としてお店を開店するにあたって、最初は不安もあったそう。

「この地域の人はよそから来た私でも気兼ねがないというか、気軽に話しかけてくれたり、お店のことを宣伝してくれたり、その不安はすぐに払拭されましたね」

今では自らも地域に溶け込もうと、地域のスタンプラリーイベントにも参加し、食材のほとんどは周辺で仕入れるようにしています。

ご近所の常連さんも増えて、すっかり地域に馴染んでいる印象のCOTON。稲村ヶ崎の日常風景を味わってみたい方は、ぜひ一度お店に足を運んでみてください。

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