心地良い流れに身を委ね、自然体の彼女が得た“故郷”・湘南。〜 宮崎ひとみさん (シンガーソングライター)〜
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“ナチュラル”の中に、芯の強さがキラリと輝く。そんな印象のシンガーソングライター・宮崎ひとみさんは湘南移住歴5年目。湘南を拠点にシンガーソングライターとして活動され、最近ではラジオ局「レディオ湘南」の番組でMCも務めています。
「ライブに来てくださる方との距離感が近く、自然体の自分で歌える今の環境が心地良いんです」。そう生き生きと語るひとみさんは元々、俳優・松平健さんプロデュースのもと、大手音楽事務所「avex」からコーラスユニットとしてデビューされました。
より自然体になれる街。“心地良い流れ”に乗って過ごす日々。
「avexにいた頃は“仕事は仕事”、オンとオフがはっきりしていました。お客さんとの距離感も今ほどは近くなかったですね」
肌が日焼けしてはいけなかったり、喉に悪いからカレーを食べていけなかったり……と、当時は大手レコード会社ならではのルールが多かったそう。コーラス、ハモりなど「声」を武器にしていた彼女ですが、ユニット解散を機に以前から興味のあったギターを始めます。
「“絶対にギターで生きていく!”とか、なにか特別な決心をした訳ではないのですが、幼い頃に耳にしていた父のギターの影響があると思います。あとは、誕生日をお祝いしてくれたユニット時代のファンの方々にお礼で猛練習をして弾き語りをしたことが1度だけあって。その時に皆さんがとても喜んでくれた経験が心に残っていて、“ギターを弾きたいな”と思ったんじゃないかと」
湘南に移ってきて、より自然体になれたことで、自分自身のこともよく分かるようになったと語るひとみさん。曲作りにおいても、自然体でいる時のアイディア、インスピレーションに敵うものはないそうです。
さて、そんなひとみさんが都内から湘南に移住したきっかけとは何だったのでしょうか。
「元々海が大好きで、サーフィンを好きになって、海辺で歌う機会も増えてきたんです。そんなときに都内の家の更新の時期が来たので、これを機に海の近くに住もう! と。自然の流れに乗りました」
ギターを始めたきっかけも、湘南に移り住んだきっかけも、一見すると流れに身を委ねているようですが、ともすれば自らの手で“心地良い流れ”を作り出している……ひとみさんにはそんな芯の強さを感じました。
「湘南に移住してきて、人も場所も本当に心地良いです。けれど、10年後もここに住んでいるかというとはっきりは分かりません。ライブを通じて、素敵な場所をたくさん回ってきて、もしかしたらどこか他の海辺の街に住んでいるかも。でも、例えそうなったとしても、湘南は“故郷”のような存在ですね」
湘南に移住してきた方と話をしていると「湘南が好きでもうここから離れられない」というような声を多く聞きます。“移住=永住”のような印象を持っている方も多いかもしれません。そんな中、湘南に恋をしながらも、いつでも帰ってこられる“故郷”のように想うひとみさん。彼女の考え方には新鮮さを感じました。
▲ 移住前から通っているサーフショップ「Dead Kooks Shonan」は今でも行くとホッとする場所
「湘南に住んでみたいけれど、今の便利な環境がなくなると思うと一歩踏み出せない……」もしもあなたがそう思っていたら、一度自然体で心の声に耳を傾けてみてはいかがでしょう。“移住は必ずしも永住ではない”と思うと、少し心が身軽になるかもしれません。
試しに湘南に住んでみて、どうしても通勤が辛かったらまた都内に戻る。目まぐるしい現代の中で、そんな柔軟な生き方があっても良いのではないでしょうか。
湘南で暮らす人々
都心から電車で1時間と、遠いようで実は近くにある海辺の街。豊かな自然に囲まれて過ごす人々の表情もまた、おなじように豊かです。
本コラム『湘南で暮らす人々』では、この地で生活を営む人々にフォーカス。「やっぱりこの街が好きだ」というみなさん、そして「いつかはここで……」と憧れを持つみなさんと一緒に、多彩なライフスタイルを覗いていきたいと思います。
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