自己表現のその先は? “ひねくれた面白さ”を作り出す、激ウマ本格麻婆豆腐店「かかん」。
本格麻婆豆腐店「かかん」があるのは、市役所や企業で働く人々のランチスポットのあたりで、休日は観光客で賑う場所となっています。
香りとシビレがあなたの食欲を刺激する麻婆豆腐は絶品そのものですが、実はこの「かかん」、ちょっと前までは違うお店だったのをご存知でしょうか? 今回は「かかん」にまつわるサイドストーリーもちょこっとだけご紹介します。
陶板鍋にアツアツ&グツグツ煮立った状態でサーブされる麻婆豆腐は程よい辛味で、絹ごし豆腐が滑らかな美味しさ。 赤山椒は「香り」が、そして青山椒は「しびれ」が食欲を誘います。
ちょっと大きめな茶碗に盛り付けられるごはんは食べきれないかと思いきや、麻婆が美味しすぎて追加注文してしまうほど。 その他にスープと小鉢、杏仁豆腐がセットされています。
そのほか、2種類のソース(ピーナッツソースと八角をきかせた黒酢と醤油ソース)から選べる水餃子や唐揚げなどのビールが進むメニューや、季節限定メニューの「冷やし担々麺」など、食欲をそそるメニューもズラリ。その日の気分やお好みに合わせてどうぞ。
「Callejero」は自己表現の場。「かかん」はまだまだ、夢の途中。
「かかん」の前身は「Callejero(カジェヘロ)」という、レストランとビストロを掛け合わせたようなお店でした。
「30歳になる頃、自分の感覚や好きな音楽や表現したいものがあったんです。飲食業にこだわりがあったわけではないんですが、当時は他の飲食店で働いていて、その中で“自分自身の表現の場”を作ろうと思ったので『Callejero』をオープンさせることにしました」(小嶋さん)
多くの人々から人気を博していましたが、2016年2月には鎌倉・梶原でオープンした麻婆豆腐専門店「かかん」1号店の様子を見て、小嶋さんは「Callejero」の休業を決意。「かかん」の本店として店舗をリニューアルし、再出発することにしました。
“かかん”という名前の由来は「家庭の台所から聞こえてきそうな活気のある音にしたい」という思いから。1号店のある梶原のあたりは住宅街が広がる暮らしの場で、どこか昭和ノスタルジーを感じる雰囲気もあります。
ちなみに、漢字表記は「香幹」。山椒の香りを連想させる「香」と、この先枝葉をつけて成長させたいという思いから植物の「幹」を取っているそうです。 「かかん」の内装のイメージは異国情緒漂う空間で、エスニックやアジアンとも違う多国籍な文化が織り交ぜられた、居心地のいい空間となっています。
「どうせやるなら、ひねくれた面白さを提供していきたい。つまらないものを作るのではなく、面白いものを。『かかん』はまだまだ夢の途中で、これからも他の業態や他の国の出店も考えているんだよね」
このように、日々楽しみながら、飲食業という枠に留まることなく挑戦していく小嶋さんの姿勢が「かかん」という空間にも反映されているのでしょう。
ぜひ一度、「かかん」という空間をまるごと味わってみてください。クセになること間違いありません。麻婆豆腐のおいしさはもちろん、食べること以上に愉しい体験があなたを待っています。
ライター情報
柴田 大輔
鎌倉との出逢いは4年前。「鎌倉に、ひとり友達をつくろう」という雑誌の特集がきっかけで鎌倉にはまり、3年前に移住。鎌倉を拠点にシェアハウスやゲストハウスの運営、カフェ・バル・家具屋に関わりながら、街のコミュニティーづくりを仕掛けている。将来の夢は自分の映画館・銭湯(温泉)・バーを持つこと。
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