海が絆をつなぐ。カリフォルニアの風薫る平塚のサロン「Hair California」。

海沿いを走る国道134号線の平塚・袖ヶ浜付近を少し内に入ると、そこは閑静な住宅街。そんなの中にポツリと1軒、軽やかな西海岸の雰囲気をまとったお店が佇みます。それが「Hair California(ヘア・カリフォルニア)」。海を愛する方々が集うという、隠れた名店にお邪魔いたしました。

人生、何が起こるかわからない。約3年で起きたドラマ。

アフターサーフィンでも、特に難しい手入れをしなくてもナチュラルに仕上がるヘアスタイル心がけるHair California。こちらの平塚店を任されている塩田店長は、同店を切り盛りして2年半。お客様のほとんどはサーフィンなど“海”でつながり、彼女のその卓越した手腕によって多くのお客様から愛されています。

しかし、ここにたどり着くまでの塩田さんの歴史も波乱万丈。聞けば聞くほど興味を引き込まれる、ドラマチックな経緯がありました。

  • ▲ 手作り感あふれる店内

  • ▲ オブジェのサーフボード

ある日のふとした訪問が、その後の人生を変えることに。

江ノ島で隠れ家的なサロンを1人で経営するなど、美容師として確かな経験を積んでいた塩田さん。ある日、雑誌などでも活躍する軽部オーナーが経営するHair Californiaの魅力に惹かれ、一人の客としてお店を訪ねました。このふとした出来事が、塩田さんの人生を一変させることになります。

「その時は私が美容師であることや趣味のサーフィンなど、共通の話題で盛り上がったものの、オーナーと連絡先を交換しただけでした」と塩田さん。しかし、それからしばらく経ったある日、「ハワイに新たにお店をオープンするから、平塚のお店を任せられないか?」と、オーナーから突然電話がかかってきました。

「オーナーは業界では名が知られた方でしたし、『こんなに素敵なお店を私が引き継ぐなんて無理』とお断りしました。私はそんな器ではありませんって。それでも2度3度とお願いされ、『それなら』と押し切られた形ですね(笑)」

  • ▲ 人生は波乱万丈、と塩田さん

店を引き継ぎ、順風満帆。でも…

当初は「オーナーが築いたスタイルや雰囲気を壊さないように」と守りに入っていた塩田さんですが、より女性が入りやすい雰囲気づくりをすることで女性の来店も増え、さらにキッズやファミリー価格も設定して家族連れもウェルカムに。こうして、彼女ならではの新たな店のカラーを確立し、着実にお客様を増やしていきました。

しかし、約1年でハワイからオーナーが急遽帰国することに。「当然、こちらに戻るものかと思っていたのですが、『平塚店は今まで通り任せて、藤沢に新たな店をオープンする』と」。その後、藤沢にキャンピングトレーラーを改修したサロンをオープン。平塚、藤沢ともに大人気のサロンへと成長しました。この一連の出来事が、わずか3年弱で起こったのです。

あくまでも自然体が、心地よい。

そんなお話を伺っていると、1人の女性のお客様がいらっしゃいました。おもむろに塩田さんに手渡したのは、ハンドメイドのハワイアンキルト。あっという間に2人に笑顔が弾け、会話に華が咲きます。この光景を見ただけで、「地元の方々に愛されている、素敵なサロンだな」と実感しました。

  • ▲ お客様も自然と笑顔に

「いろいろありましたけど、とにかくやってみるしかないんですよね」と笑顔で話す塩田さん。海でつながったオーナーとの関係、海でつながるお客様たち。“海”をキーワードにつながる自然体なライフスタイルは、まさにお店の目指すコンセプトそのもの。ぜひ一度訪ねてみて、軽やかでナチュラルなスタイルに身を任せてみてはいかがでしょうか?

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