ジャンルを超えた職人技が織り成す、唯一無二のオーダーメイド「花とガラスの雑貨店」

鎌倉小町通りを鶴岡八幡宮へ向かって歩いて行くと左手に見えてくる人だかり。「何かをやっているのかな?」と覗き込んでみると、そこにはまるで魔法のように1本のワイヤーからあらゆる文字を生み出す男性の姿が。今回は、彫金・ガラス細工・ワイヤーアートの3つの異なる技術を組み合わせた作品を数多く展開する「花とガラスの雑貨店」店主、平賀勝行さんの独創的なものづくりの核心に迫ります。

近年、非日常での体験を求めて鎌倉を訪れる人々が増えており、そんな「コト消費時代」のニーズに応える平賀さんの作品は、観て・飾って二度楽しめる世界に一つだけのアート作品として人気を博しています。

あらゆる技術を渡り歩いた、ものづくりのよろず屋

平賀さんの販売する作品は、彫金・ガラス細工・ワイヤーアートなどの複数の技術を巧みに組み合わせて作られています。

平賀さんのものづくりの原点、それは山梨県にある彫金の専門学校へ通ったことでした。卒業後にジュエリー制作の工房にて2年ほど彫金の腕を磨き、その後は知人のガラス工房へと移ります。彫金とガラスの2つの技術を磨き続けた平賀さん。ガラス工房で製作した作品の営業で全国を回る中、現在の拠点である鎌倉に出逢います。

その後ガラス工房から鎌倉での仕事を任され3年間を過ごした後、独立。ついに自分のお店を鎌倉でオープンしました。

ガラス工房で培った技術を駆使した繊細な花瓶や、ジュエリー制作の技が活きる天然石のアクセサリーの数々。平賀さんのものづくりの集大成でもある「花とガラスの雑貨店」は、今年で4年目となる小町通りの人気店です。

  • ↑平賀さんがこれまで培ってきた技術が組み合わさって完成する作品の数々は、どれもアイデアと実用性に富んだ一点物

ものづくり×コミュニケーション、ワイヤーアートへの挑戦

開店当初は、ジュエリーで培った彫金技術とガラス工房で培ったガラス細工の技術、それらを組み合わせて製作を行っていた平賀さん。製作技術には自信があったものの、初めは中々お店を見てもらえず、お客様に作品へ興味を持ってもらうきっかけ作りに苦戦した時期もあったそうです。

試行錯誤しながら製作・販売を小町通りで続けていく中で、平賀さんは「鎌倉観光のメインエリアに店を構えているのだから、もっとお客様と会話をするべきだ!」と考えます。コミュニケーションとものづくりの融合、平賀さんの現在のスタイルはここから始まりました。

ものづくりとパフォーマンスの融合の瞬間、ガラス細工や彫金作品との相性も良い、目の前のお客様と話しながらライブパフォーマンスを行えるワイヤーアートと出逢います。工具とワイヤーさえあれば、いつでもどこでも製作が出来て目の前の人を笑顔にできる。そんなワイヤーアートの可能性に魅了された平賀さんは、これまでの経験を活かし、美しい字体を素早く生み出す独自の手法を体得したのです。今ではワイヤーアートに彫金とガラス細工を組み合わせ、どんな名前や屋号でも作品に落とし込む腕前の持ち主となりました。

また、文字とジュエリーを組み合わせたピアスやネックレスなども店頭に並びます。お客様の希望や理想像に合わせたアクセサリーなどをオーダーメイドで作ることも多いそうです。

  • ↑なんと湘南ガーデンの表札を作って頂きました!

平賀さんのものづくりのこれから

平賀さんのワイヤーアートの魅力は、なんと言ってもその字体の美しさ。つい先程までぐるぐるに巻いてあったワイヤーから生まれたとは思えない、活き活きとした字体とその曲線美は圧巻です。今後は更に多様な字体に挑戦していく予定で、「ワイヤーを用いたカリグラフィー」をモットーに、より美しく洗練された文字を日々研究しているそうです。

日々新たな表現を探求する情熱と、目の前のお客様との一期一会を彩るパフォーマンス。職人という生き方の新たな可能性を、ここ鎌倉小町通りで目の当たりにしました。

  • ↑ワイヤーアートが自分と世界を繋いでくれたと話す平賀さん、お気に入りのスポットであるという和賀江島にて

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