「ふれて すすむ まえへ -音と光と香りとともに-」のドキュメント映像を公開〜茅ヶ崎市美術館

茅ヶ崎市美術館

「触れる」を表現へ

一昨年、「インクルーシブ(社会包摂)」をテーマの一つにして開催された企画展「美術館 まで(から)つづく道」において注目を集めた、アートユニットMATHRAX(マスラックス)〔久世祥三 +坂本茉里子〕による視覚、触覚、聴覚、嗅覚から感じる作品《うつしおみ》。この作品をもとに、茅ヶ崎市美術館ではこの秋、神奈川県が推進する「ともいきアートサポート事業」の一環として、神奈川県立茅ケ崎養護学校の中学生の皆さんとともに“音”と “身体”に焦点をあてたワークショップに取り組みました。

音と触覚をテーマに活動 するMATHRAXさんと、身体表現のプロであるダンサー岡田智代さんによるワーク ショップでは、作品に触れると放たれる音に誘われるように、生徒の皆さんは、木の オブジェにリズムをつけて触れたり、手を反り返して触れてみたり、握り締めたり、包みこんでみたりなど、一人ひとりの触れる行為は、それぞれの“身体表現”となって、教室の空間を満たしました。

そして冬を迎え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策をして実施した美術館における《うつしおみ》の展示では、ワークショップ時は音だけに限定されていた作品に光と香りの要素も加わり、目、耳、鼻、手、足など、さまざまな器官に働きかける展示空間が立ち上がりました。来館した人々は思い思いに作品を楽しみ、何気なくモノに触れるという行為そのものを恐れてしまうこの時期に、自分の感覚を存分につかう体験を渇望していたという感想も聞かれました。

ワークショップを終えた学校の先生とアーティストたちのインタビューと、場の空気や時間を、優しく捉え映し出すことで知られる松永勉さんの映像を通し、一人ひとりが異なる身体や感覚をもつこと、物事の捉え方やその表現方法も違うことなどに思考を巡らせるひとときを過ごしてみてください。

映像のみどころ

  1. 視覚 、触覚 、聴覚 、嗅覚 から感じる作品
  2. 養護学校での“音”と“身体”に焦点をあてたワークショップの様子
  3. 教室にあふれた“触れる表現”の豊かさ
  4. 学校の先生やアーティストの貴重なインタビュー
  5. 養護学校と美術館の空気をつなげる映像美

映像作家・松永勉さんのコメント

《うつしおみ》は、木に触れると音が出るというシンプルな作品なのですが、養護学校の生徒さんたちは、触れ方 も反応も一人ひとり全然違って、ファインダーを通して眺めているだけでとても楽しかったです。最初は先生 に導かれて触れていた子が、徐々に自分で触れるようになったり、気に入ったオブジェをしっかりと握りしめている子がいたり。決して派手な触れ方ではないけれど、指先にまで思いが届いているような、そんな強い印象 を受けました。映像を制作していて、改めて彼らの指先のとても豊かな表情に見入ってしまいました。

【ドキュメント映像】
映像制作=松永勉(未来シネマ) 時間:9′52′′

出 演 = MATHRAX〔久世祥三 + 坂本茉里子〕(アートユニット) 、岡田智代(ダンサー) 、吉田豊(茅ケ崎養護学校校長)、守屋昌代(同校教頭)
協力 = 窪田正男、石川夏与(花王株式会社 感覚科学研究所)、小倉慶子&盲導犬ブリス、板嶌憲次郎&盲導犬フレア、池田小夏、inu it furniture
ワークショップ協力 = 池田美砂子(ライター)、八幡宏(写真家)

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