ゆったり流れる“鵠沼タイム”に、「麺やBar 渦」での1杯を添えて。

【和】nico」も軒を連ねる本鵠沼駅前商店街。この通りにあるのが「麺やBar 渦」です。湘南・鵠沼で2006年6月から歴史を紡ぎ、実に多くの人々から愛されている渦のラーメン。その味を求めて日本全国津々浦々、そして海外からもビジターがやってきます。

アメリカ西海岸のテイストも取り入れているという渦、キーワードのひとつに挙げられているのは「リゾート」。人々がゆっくり、ゆったりと過ごせるラーメン屋さんを目指しています。

18時からスタートする「夜の部」では“ラーメンバー”となり、お酒やおつまみなどもラインナップ。ラーメンを中心に提供する「昼の部」とは異なった表情を見せる渦のルーツには、鵠沼出身のオーナーシェフが大切にしている特別な想いが込められていました。

世界が認めた鵠沼の味は、こだわり抜いた製法と素材が生み出す調和にあり。

こだわりの素材を使って作られる渦の品々の中で、もっともスタンダードなのが、生揚げ醤油を使用した「湘南湯麺 雅(みやび)」です。NASA(アメリカ宇宙開発局)が開発した浄水装置を使用して水をろ過し、厳選された素材からスープを抽出してひと晩熟成させるという非常に手の込んだ作りで、化学調味料はもちろん加えていません。

季節によって水や塩を加える分量が調節されているという麺と、こだわりのスープが絡まって織りなすハーモニー。柔らかくもしっかりと味のついたチャーシューや、スープの味がしっかり浸透した肉団子などがその脇を固めます。

シンプルながらも次へ次へと食指を動かしたくなる「雅」の味わいは、「東京 ラーメン・オブ・ザ・イヤー」で5年連続優秀賞に選ばれたほか、あのミシュランガイドも認めた出来栄えとなっています。

  • ▲ こだわりの食材と製法で生み出される渾身の一杯、「湘南湯麺 雅」

今回はさらに「アジアン『RED』まぜそば」と、季節のメニューである「生春巻き」の2品もいただきました。

「アジアン『RED』まぜそば」はその名の通り、コリアンダーやパクチーなどといった各種香辛料が加えられ、マイルドなスパイシーさが特徴。太めで歯応えのある麺をひとたび口に運べば、病みつきになること間違いなし。湘南の夏にもってこいの一杯です。

いっぽう「生春巻き」はさっぱりとした味わいで、「アジアン『RED』まぜそば」とのコントラストをお楽しみいただけます。各種野菜や鮮魚が具詰めされ、酢に加えて、ラーメン屋らしく出汁がサッとかかったこの一品。お皿に添えられている練り梅もポイントですので、ぜひご一緒にどうぞ。

  • ▲ 一度食べたら止まらない。「アジアン『RED』まぜそば」

  • ▲ 「生春巻き」は各国料理と和食割烹のコラボを体現しています

ラーメンの道に進んだ経緯、鎌倉で味わった成長と痛み。

  • ▲ 「麺やBar 渦」のオーナー、大西さん。現在は主に姉妹店の厨房に立っています

オーナーの大西さんとラーメンの出会いは、お父様がきっかけでした。お父様のお店で食べたラーメンに感心し、いつしか通うように。そんなある日、声を掛けられました。「いつも通り食べてたら、“ラーメン作ってみるか?”って言われたんです。あの時は嬉しかったですね」と大西さんは振り返ります。

以来、お父様のもとで2年間ラーメン修行を積んだ大西さん。やがて独立し、鎌倉駅前に自分のお店を構えました。連日多くのお客さんで賑う盛況ぶりを見せていましたが、その傍らで大西さんは心にどこか違和感を覚えていました。

「お店によく来てくれていた常連さんがいて、はじめのうちはよくお話をしていました。でもだんだんお客様がたくさんいらっしゃるようになって、そういうコミュニケーションを取れる機会が減っていってしまったんです」

「お店をクローズした後に行う一日の振り返りの場で初めて、その日に常連さんがいらっしゃってたことを知ることも少なくありませんでした。それだけ忙しいのはお店として喜ばしいことでもあったんですが、僕自身にとってはそれが辛くて。お店の成長とともに、心の痛みも強くなっていったんです」

人との関わり、コミュニケーションに価値を見出した大西さんは、生まれ育った鵠沼の地に新たな物件を探し求めました。人とのつながりを感じられる、自分らしいお店でラーメンを提供したい。こうして産声を上げたのが渦だったのです。

ご自身が思う湘南の良さについてお尋ねすると、「この辺りは海がひとつ大きなコミュニティになっていて、“海に行けば誰かに会える”っていうムードがありますよね」と大西さん。続けて、こう語ります。

「それに、この辺りは時間の流れがゆっくり。そんなムードを僕は“鵠沼タイム”って呼ぶようにしています。お客さんにも“いいよいいよ、鵠沼タイムだからゆっくりしていって”と声を掛けたりしますね。そうやって人のつながりが広がっていくのも良いところかなぁ、と思います」

こうしたお店の雰囲気を気に入った常連さんに、お話を伺うことができました。「渦を含めて、この辺りは時間もムードもゆったりとしていて過ごしやすいですよね。数年前まで都内にいたんですが、移ってきて良かったと思ってます」

「特に、渦のことが本当に気に入っちゃって。キープしてる一升瓶もとうとう“11代目”ですよ」と、その表情は始終にこやかでした。

ほかにも、鎌倉でお店を開いていた頃からの常連さんもしばしばいらっしゃるそうです。そんな方々の中から、この日は結婚40周年を迎えたご夫婦が揃ってご来店。「作りに手が込んでいるけど、それでいてシンプルな味わいが好きです。ラーメン作りに対する姿勢は昔から変わっていませんね」と、どこか感慨深そうな目でお話くださいました。

多くの人々に愛される湘南のラーメン屋さん。昼は全国に名を轟かせる本格派の一杯を味わい、夜は酒とラーメンと人情を肴にゆったりと“鵠沼タイム”を過ごしてみませんか。

麺やBar 渦

神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡3-5-7

[営業時間]
昼の部 … 11:30〜15:00(L.O.)
夜の部 … 18:00〜22:00(L.O.)

[定休日]
月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜休み)

[お問い合わせ]
Tel: 0466-28-8443 Fax: 0466-28-2311

[ウェブサイト]
http://menya-bar-uzu.com/

Facebook: @menyabaruzu

ライター情報

akira suematsu

akira suematsu

湘南生まれ湘南育ちの純・湘南ボーイ。そのわりにサーフィンは未経験だが、鵠沼の海が世界で2番目に落ち着く場所である。まだ見ぬ湘南の魅力、そして多様なライフスタイルのあり方を求めて、ペンとカメラを両手に行動範囲を拡大中。