街と人との素敵な出会いを生み出せたら。「kurasu house」オーナー江盛早織さん

2018年に施行された民泊新法によって民泊(主に戸建てやマンション等の一室を宿として運用する事業)が日本でも盛んになり、訪日客の宿泊スタイルの選択肢がさらに広がりました。
日本滞在中のメジャーな宿泊方法の一つとして訪日客からのニーズが増加し、湘南エリアでも民泊を経営するオーナーさんが増えてきています。

この度は鵠沼海岸にて「kurasu house」を運営する江盛早織さんに、民泊経営という仕事の魅力を伺いました。

料理人の経験と英会話を組み合わせた仕事がしたい

高校時代に始めた飲食店のアルバイトを通して料理の世界に魅了され、社会人になってからはプロの料理人の道へと進んだ江盛さん。料理人として料亭で働く中で、語学力を付けて仕事の可能性を広げたいと考えるようになります。

「実際にボストンへと留学し、約1年に渡る現地での生活を通して英会話のスキルを磨きました。」料理と英会話、二つのスキルを手に入れた江盛さんは、日本でその両方が活かせるような新しい仕事を考えます。

くらすように くげぬま おうち体験「kurasu house」

初めはゲストハウスの運営を計画していたそうですが、プライベートで鵠沼海岸に引っ越してきた矢先、個人の自宅で民泊の運営が可能となる民泊新法が施行されたのです。

「日本を訪れてくれた人達に、自分の料理や大好きな街を、暮らすように楽しんでもらえるような宿を作りたい」そう考えた江盛さんは、「くらすように くげぬま おうち体験」をコンセプトに民泊kurasu  houseをオープンしました。

  • ↑人懐っこくゲストを迎え入れてくれる、愛犬のぐうちゃん

泊まる場所を提供するだけではなく、自分ならではのおもてなしを

安心して宿泊できる場所と美味しい食事を提供することはもちろん、「kurasu  house」には宿泊前からさまざまなおもてなしが用意されています。

宿泊が決まったゲストには事前にコンタクトを取り、来日前からコミュニケーションを交わし親睦を深めることで、チェックイン当日には「やっと会えたね」と言い合えるような信頼関係を築きます。

宿泊期間中はゲストが希望すれば鵠沼海岸周辺の江盛さんおすすめのお店やスポットを案内するほか、宿で使用する食材はご友人の農場から仕入れた地元のものを使用するなど、随所におもてなしを用意しているそうです。

地元をしっかりと紹介し、一緒に楽しみ、味わう。「くらすように くげぬま おうち体験」のコンセプトの通り、地元民の生活をそのまま体験できるような宿になっています。

  • ↑畳の香りが心地よい和室がゲストの宿泊する部屋になっている

  • ↑自宅で食事をする際の食卓。家庭的な雰囲気の中で過ごせる宿だ

コンセプトに込められた想い

江盛さんが大切にする「暮らすように泊まる」という宿泊スタイルの原点、それは民泊運営を始める前にフリーガイドとして働いていたときに出逢ったある家族の言葉でした。

両親の結婚33周年でマレーシアから日本を訪れた3人家族をガイドしていた際、宿泊先がまだ決まっていないということが分かり、江盛さんは自分の家にその家族を招きました。急遽海外からの来客を自宅に泊めるという初めての経験ながら、「大切な日にここに来てくれた3人のために、一生の思い出になるようなおもてなしがしたい」と考えた江盛さん。自分がいつも行っている大好きなお店に連れて行ったり、友達を呼んで歓迎パーティを開いたりと、精一杯のおもてなしで3人を祝福しました。

「もう一度日本に来ても、またここに帰ってきたい」

ゲストが帰国する前に江盛さんに残したその言葉が、今の「kurasu house」につながっています。

  • ↑ご両親の結婚33周年でマレーシアから日本を訪れたご家族。彼らとは今も固い絆で結ばれている

  • ↑2020年東京オリンピックに先駆け、江ノ島でトレーニング中のセーラーの宿泊先にも選ばれた

湘南と世界を繋ぐハブになりたい。

ご自身の民泊で訪日客を迎え入れるだけでなく、実際に日本に移り住んで来た方と地域の人々を繋ぐ活動にも力を入れる江盛さん。

2019年にずし呑みというイベントに携わり、外国人×ローカルツアーの企画を行なったことをきっかけとして、現在では海外から湘南エリアに移り住んで来た方々と地域の方々が自由にコミュニケーションを楽しめる空間をプロデュースしています。

「日本に移り住んで来た方々は誰もがもっと日本語を勉強したいと考えています。英語と日本語の両方が使える環境をきっかけに積極的に地域のコミュニティに参加し、もっと湘南を好きになってもらいたいですね。」

Locals and Foreigners Meetups in Zushi
http://meetu.ps/c/4pzRn/KDJTT/a

  • ↑この街にいた人、この街へ来た人。国境を超えて繋がれる街をデザインし続けたいと話す江盛さん

日本の暮らしを体験し、湘南の空気を感じる民泊の運営。そして湘南に移り住んで来た人々と地域を繋ぐイベントの企画。江盛さんが民泊をきっかけに抱いてきたおもてなしの心は、今日も湘南と世界を繋ぐ架け橋となっています。

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