【あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜】

鵠沼の歴史的建造物と緑を未来に繋ぐ

雪山に通うシーズンも終盤を迎え、鵠沼で家仕事、庭仕事、外遊びに最適な季節となりました。こちらの連載でも何度か触れている私の暮らす古民家の保存活用についても、多くの方々のご協力により、新たな光が差し込むような気配を感じています。

未だ「非公開」の登録有形文化財ですが、今後、公開イベントなどを開催できるよう活用方法を探ったり、庭の手入れや建物の修繕について、やりくりする日々が続きます。

人間と同じで90年も生きている建物は、老弱するのも当然。過去のメンテナンスもままならず、人間で言ったら身体中、傷だらけ、病気だらけ、ヨボヨボのおばあちゃん状態です。今後も建物を維持するためには、大体的な修繕を行わなければなりません。ところが、歴史的建造物の修復とは本当に困難な道で、新築で建て直した方が安いのではないかというほどの修繕費がかかるのだそうです…。

  • 「鵠沼の緑と景観を守る会」による池掃除

  • 松の枯れ葉処分は果てしない作業

  • 「神奈川県登録有形文化財所有者の会」監修で瓦職人による屋根調査

少しでも修繕費に繋がる収益を得るために、歴史的建造物の価値を知ってもらうために、家や庭を利活用して人が集まる場所にしよう、これが今の私の取り組みです。修繕費を補うほどの収益をあげるには遠い道のりですが、純粋に友人や知人が遊びに来て、鵠沼ならではの空気感や長い年月を心地よく感じてくださるのはとっても嬉しいことです。

  • 最高の青空の下、ヨガ教室を初開催

  • 庭の桜で花見ランチ

  • 夜はライトアップして夜桜会

ここ数ヶ月で多くの協力者の方に相談に乗っていただきましたが、どなたも自分のことのように維持保存、活用について考えてくれたり、ボランティアで動いてくださり、私にとって大きな大きな励みとなっています。

専門家に家を見ていただく度に、ここも直さなければならない、あぁここもか、と肩を落とす反面、素晴らしい材を使っているね、とか、この時代の職人にしかできない技だ、とも。一喜一憂しながら、建造物の価値の理解を深め、伝えていくことが自分の役割なのかと感じます。

  • 洋館の応接間

  • 今後スペース貸しをするための写真撮影

最近では、使っていない部屋や庭を徘徊して活用法を考えることが日課のようになり、夢は膨らむばかり。重荷ではなく、夢みて楽しむことが第一と考え、地道に掃除や不用品処理も進めています。ひとりでは到底手に負えない案件ですが、伝統的建造物や豊かな自然に対する価値観を共有できる皆さんとともに、一歩ずつ邁進していけたらと思います。

あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜

鵠沼の自然を感じながら暮らす編集者が、湘南での日々の発見や四季折々の姿を紹介します。

当コラムの執筆者、尾日向さんの発行しているスノーカルチャー誌
『Stuben Magazine』の公式ウェブサイトはこちら:http://stuben.upas.jp

ライター情報

尾日向 梨沙

尾日向 梨沙

編集者。東京都出身、藤沢市鵠沼在住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスでウィンタースポーツを専門に取材、執筆。2015年に北海道ニセコの写真家とともにスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を発行。スキーと旅はライフワーク。海、山、森と自然に囲まれて過ごす時間が何よりも好き。

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