【あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜】

海から雪山へ

雪のシーズン真っ只中。冬になると首都圏を離れ、雪山を転々とする生活をかれこれ20年くらい続けています。特に1月は雪質がもっとも良い時期。一度、湘南に帰ってきても冬型の気圧配置が決まるとウズウズしてまたすぐ出かけてしまうのです。

スキーやスノーボードが身近でない方からしたら、雪山に行くのは大変なイメージもあるかもしれませんが、今や交通アクセスも道具も情報網も大きく進化し、気軽に楽しみやすくなりました。今回は湘南から雪山に出かける“日常”をお届けします。

2015年に圏央道の茅ヶ崎~八王子区間が開通してから、湘南から雪山へのアクセスはぐっとスピーディになりました。群馬、新潟、長野方面へ出かけるとき、以前は東京を経由して関越道か中央道に乗る、もしくは中央道の相模湖ICまで下道でアプローチというのが一般的でしたが、藤沢ICや茅ヶ崎ICが起点となり所要1時間は短縮されました。

  • 澄み切った冬空のドライブも心地いい

先日は「夜間から朝にかけて北関東に降雪」という天気予報を見て、明日午前中だけ滑りに行くか、と早寝。朝6時に茅ヶ崎ICにイン、圏央道・鶴ヶ島ジャンクションから関越道へ、スキー場がオープンする8時半には群馬県・水上エリアのスキー場に到着していました。この日は大雪で、パウダースノー好きの私にとっては最高のコンディション。2時間も滑ればお腹いっぱい、水上温泉街でランチをして、温泉でゆっくり温まり、日が暮れる前には湘南に帰宅!

  • 大雪で一面パウダースノーの谷川温泉ホワイトバレー。平日で人もまばら

関越道・沼田IC、水上IC、湯沢IC近辺にはかなりの数のスキー場が点在し、湘南から2~3時間でアクセスできるところも多くあります。八王子ジャンクションから中央道方面に向かえば、こちらも諏訪IC付近からビーナスラインエリアのスキー場が選び放題です。

  • 塩沢石打IC降りてすぐ、アクセスしやすい舞子スノーリゾート

ただし、土日の高速道路はやはり渋滞がつきもの。土日しか滑りに行けないという方は、行動時間を少しズラすことをお勧めします。金曜の深夜か土曜の明朝に走る、日曜は現地で温泉&夕食まで済ませて遅めに帰るなどなど。

また、たとえ1泊2日でも、思い切って北海道や東北へ飛ぶというのも手。スキー場の広さや人口密度は、首都圏から近いスキー場に比べたら格段の差。選ぶスキー場にもよるけれど、こんなにいい雪で、滑りやすい斜面なのに貸切! なんて経験も何度もあります。土曜朝の高速下り渋滞にはまり何時間もかけてスキー場に着いたのに、駐車場も混んでいて、リフトも行列、滑る斜面にも人がいっぱい、大勢滑った後で斜面はガタガタということも休日は起こり得ます。それならば飛行機や新幹線を上手に利用し、滑走道具は宅配またはレンタルで、ひとっ飛び。多少お金はかさんでも、より豊かな自然と大きな充足感を味わえるはずです。

  • 年末年始は八甲田で山スキー

スノーボードはサーフィンと共通する感覚も多いため、最近、湘南でも雪山に興味を持つ方が増えてきたように感じます。そんなサーファー(でなくても)たちのスノートリップを支えるのに、ショップの存在は大きいもの。

私はスキー専門ですが、近所のスノーボードショップに顔を出すこともあります。ひとつは、鵠沼海岸にある「EQUIP(エキップ)」というサーフ&スノーショップ。サーフィンを軸に30年以上、本質を追求するプロショップです。国内外に広がるスノーサーフムーブメントの象徴であるブランド、GENTEMSTICK(ゲンテンスティック)の販売から、チューンナップ、オリジナルワックスの制作、ツアーの開催と、「売って終わり」ではないのがエキップの特徴です。

  • GENTEMSTICKのフィロソフィーを熟知。店内には顧客のメンテナンス用の板がずらり

  • 手作りのワックスは天然成分で自然に優しい。生塗りタイプは端切れをリユースしたケース付き

特に独自のチューンナップ「MAGIC TUNE」は本格的で、真神孝文オーナー自ら、お客さんに入念にヒアリングをした上で、理想のターンをストレスなく導くよう仕上げてくれます。雪山に熟知した各地のスノーボーダーと密接な関係を築き、ライディングキャンプも開催。お客さんとともに滑ることで、より正確に、個々に合った道具やメンテナンスのアドバイスができるそうです。

もう1軒は、2017年に腰越にオープンした「POWDER COMPANY SHONAN」。SUPとサーフィンのスクールが中心ですが、パウダーカンパニーのルーツはその名が記す通り雪山。代表の高久智基さんは、藤沢で生まれ育ち、北海道ニセコへ移住。ニセコで20年、パウダースノーを滑る喜びを多くの人々に伝えてきたガイドカンパニーの先駆者です。パウダーカンパニー湘南は高久さんの生まれ故郷である湘南で、海と山を繋ぐ役目を果たしています。

  • 海の目の前にある古民家を改築した店舗

  • シーズン前には雪山のスライドショーも開催

スノーボードやバックカントリーギアの販売とチューンナップ、湘南からニセコへのツアーの開催、春には立山や富士山へのバックカントリーツアーなどプログラムが充実。スノーサーフィンに適した道具選びからレッスン、そしてバックカントリーまで、エントリー層にも手厚い、海と山の情報発信基地です。(冬期は土日のみ営業)

今や極上のパウダースノーを目指して外国人が殺到するほど、世界トップクラスの日本の雪。暖冬と言われた今シーズン、雪の降り方に変化が出ているのは明確だけれど、素晴らしいコンディションに仕上がっているスノーエリアも増えてきました。海と山は繋がっています。同じ波はひとつとして来ないように、そのとき限りの天からの恵み「雪」の感触を感じてみませんか。

あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜

鵠沼の自然を感じながら暮らす編集者が、湘南での日々の発見や四季折々の姿を紹介します。

当コラムの執筆者、尾日向さんの発行しているスノーカルチャー誌
『Stuben Magazine』の公式ウェブサイトはこちら:http://stuben.upas.jp

ライター情報

尾日向 梨沙

尾日向 梨沙

編集者。東京都出身、藤沢市鵠沼在住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスでウィンタースポーツを専門に取材、執筆。2015年に北海道ニセコの写真家とともにスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を発行。2019年より鵠沼の国登録有形文化財と周辺の緑を守る活動を開始。『松の杜くげぬま』管理人として様々なイベントを開催している
https://www.facebook.com/matsunomorikugenuma

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