湘南で暮らす人々

湘南から全国へ発信! ローカルからサーフボードを借りよう! ~サーフィンのシェアリングサービス「サーフ文庫」・川端伸治さん~

2016年の「民泊解禁」を皮切りに、この数年で大きく成長する「シェアリングエコノミー」。“インターネットを介した個人間取引”で、使われていない資産などを有効活用し、新たな価値を生み出すことで注目されています。

今回お会いしたのは、2017年春に都内から辻堂に移住してきた川端伸治さん。サーフボードやボードの置き場などを個人間で貸し借りするサービス「サーフ文庫」(アプリ)の開発を基軸に、湘南のライフスタイルを楽しんでいます。

湘南から全国へ! サーフボードの貸し借りを行うアプリ「サーフ文庫」。

2018年7月にサービス開始となった、日本初のサーフィンのシェアサービス「サーフ文庫」。ボードの貸し手はボードやグッズを貸してお小遣いを稼ぐことができ(破損や盗難への補償制度あり)、借り手は自分が入りたい海のスポットに合わせて貸し手を選ぶことができます。

売上げの一部は、環境団体に寄付。サーフィンをするだけで海の環境保全にも貢献できる仕組みが評価され、湘南地域で開催されている「第18回湘南ビジネスコンテスト」の来場者賞に選ばれたそうです。

サーフィンデビューをもっと気軽に。ローカルとの出会いを楽しもう!

今回はサーフ文庫の利用者にもお話を伺うことができました。「大自然の中で、童心に戻り、心から健康になってほしい。サーフィンデビューなど、より良いお手伝いができれば嬉しいです。」と語るのは、サーフ文庫の登録者(貸し手)の中村清礼さん。介護士や眼科助手として福祉関係に16年従事し、栄養相談や心理カウンセリングなどコミュニケーションの実績も豊富。抜群のホスピタリティが感じられる中村さんには、多くのリピーターがついているそうです。

  • 「サーフ文庫」開発者の川端さん(左)と登録者の中村さん(右)

サーフ文庫では、サーフボード(1,000〜5,000円/日)、ボード置き場(3,000〜5,000円/月)の提供のほか、グッズやシャワーの貸し出し、初心者向けスクールなど、登録者によって提供するサービスがさまざまなのだとか。より自分にマッチングするサービスを選べるのは、初心者だけではなく、すでにサーフィンを楽しんでいる人にとっても魅力的ですね。

自然豊かな辻堂で、人との出会いを生むサービスを開発。

「シェアリングエコノミーは、「Uber(ライドシェア)」や「Airbnb(民泊)」が世界的にも有名ですが,なんと言っても元祖は“Library(図書館、文庫)”。私が最も影響を受けたのは、アメリカ・オハイオ州発祥の日用大工などの道具を町全体でシェアする「Tool Library」です。サーフィンの道具をシェアし、人との出会いを生むサービスを開発したい。そんな想いから“サーフ文庫”と名付けました。」

普段は、湘南のWEB制作会社でエンジニアとして働く川端さん。「休日は、サーフィンやジョギングを楽しみます。今、住んでいる辻堂は、海や公園など自然が豊富で、駅周辺にはモールや映画館などがあり、都内へのアクセスも抜群。ONとOFF共に充実した毎日を過ごしています。」と、語ります。

シェアリングエコノミーをはじめたキッカケとは。

川端さんがシェアリングエコノミーに興味を持ったキッカケとなったのは、アフリカ・ケニアとセネガルへの一人旅。ケニアの都市部でAirbnb(民泊)を利用し、一般家庭でホストとの食事やサイクリングなどを満喫したそうです。

セネガルでは荷物一式を盗まれたものの、現地の人々に助けてもらい無事に帰国した川端さん。 人との出会いや優しさに触れた経験によって、価値観が一転したのだとか。「“人との出会い”や、“モノや時間のシェア”が人生を豊かにする。」、そう考えるようになったそうです。

サーフ文庫で出会いを楽しみ、豊かな人生を。

辻堂への移住をきっかけに、サーフィンを始めた川端さん。アフリカでの経験を踏まえ、サーフィンを始めるにあたってボードは買わず、ローカルから借りたのだそう。貸してくれた方にサーフィンを教えてもらったり、一緒に砂浜で色々な話をしたり……とても素敵な時間を過ごせたそうです。「この体験を多くの人に届けたい。」、その想い一心で約半年間、独学でプログラミングを学び、クラウドファンディングにも挑戦。

「湘南はオープンマインドな人が多く、シェアリングサービスが根付く土壌だと思います。サーフ文庫で、旅するように人との出会いを楽しみ、豊かな人生を送ってほしい。」と、言います。

市場規模予測600億円と言われ、今後も成長を続けるシェアリングエコノミー。利用者の利益や利便性と共に忘れてはいけないのが“人との出会いを通じた、心のふれあい”。そんな願いと共に「サーフ文庫」を全国、そして世界へ発信する川端さんの目には、明るく、豊かな未来への希望が満ち溢れていました。

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