【あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜】

<第4回>桜と藤の季節

しばらくお休みしていましたが、この春からコラムを再開します! 鵠沼に暮らす、編集者の尾日向梨沙です。スキーやスノーボード、雪国の暮らしをテーマに仕事をしているため、冬の間は雪山を転々とする生活を15年くらい続けています。

築90年の我が家は、冬はとにかく寒くて寒くて、室内でも吐く息は白く、家の中でもダウンを着てしまうほど。断熱と暖房設備の整った雪国の方がよっぽど温かいので、取材や大好きなスキーのために、冬は雪国に逃亡しがち。5〜6月までしぶとく滑るけれど、春の訪れとともに、鵠沼に戻る時間が増えてきます。

3月。だんだんと日が長くなり、庭の花々が色づくこの季節は本当に気持ちがいいですね。ポカポカ陽気が続いた今年は、我が家の桜も、例年より1週間以上早く開花。

この家に暮らす人間も世代交代しているように、以前、大黒柱だった桜は老木となり片枝を失い、今は子供でしょうか、老木の隣の桜が元気いっぱいです。今年は特に花付きも良く、穏やかな気候が続いたので何度もお花見をしてしまいました。

ちょうど人通りのある道路沿いに咲くので、簡単なライトアップもしてみました。

大量の花びらの掃き掃除には、なかなか手を焼くけれど、掃除をしている時も、道行く人々が「綺麗ね〜」「いつもここを通るのが楽しみよ」と声をかけてくださるので、励みになります。

桜が散り終わると、藤の季節が始まります。庭にある藤棚は一体何年、生きているのだろう。こちらも痩せ細った老木ながら、毎年綺麗な花を咲かせてくれます。

いつもゴールデンウィークが始まる頃に咲くな〜と思っていたら、今年は2週間以上も早く満開を迎えてしまいました。

この藤棚は、地域の「鵠沼の緑と景観を守る会」の皆さんがオフシーズンから綺麗に咲くようにと、手をかけてくださっているのですが、今年は害虫の被害を受けてしまいました。せっかく綺麗に咲いている花房の先端の方を大幅に切り落とさなければならず、寂しげな藤棚となってしまいましたがこれも自然の摂理。対策をすれば数年がかりでまた元気を取り戻すそうなので、根気よく見守りたいと思います。

樹木も長く生きていれば、輝く年もあれば病に落ち込む年もある。「ありがとう、桜! 頑張れよ、藤!」と、花の季節は自然との対話も増え、庭好きのおじいちゃんみたいになってしまうのです。

桜や藤の観賞に、ご近所さんやお友達がお酒片手に集まってくるのもこの時期ならではの愉快な出来事。なんでもない日常の中に、花々のおかげで生活に彩りが加わるという小さな贅沢を感じます。

蚊が勢力をふるう前に、庭仕事&外飲みを楽しもうと思います!

あの路地を曲がれば。〜雑誌編集者の鵠沼ライフ〜

鵠沼の自然を感じながら暮らす編集者が、湘南での日々の発見や四季折々の姿を紹介します。

当コラムの執筆者、尾日向さんの発行しているスノーカルチャー誌
『Stuben Magazine』の公式ウェブサイトはこちら:http://stuben.upas.jp

ライター情報

尾日向 梨沙

尾日向 梨沙

編集者。東京都出身、藤沢市鵠沼在住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスでウィンタースポーツを専門に取材、執筆。2015年に北海道ニセコの写真家とともにスノーカルチャー誌『Stuben Magazine』を発行。スキーと旅はライフワーク。海、山、森と自然に囲まれて過ごす時間が何よりも好き。

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