芸術の秋、アートが百花繚乱する湘南・平塚のギャラリー「1761studio」へ。

熱い夏も終わりを告げ、爽やかな風と高い空が心地よい秋となりました。グルメの秋、行楽の秋と、秋もさまざまにありますが、今年は芸術の秋を湘南で楽しんでみてはいかがでしょうか? この秋で2周年を迎えた共同アトリエ「1761studio」で一足早い、芸術の秋を楽しんできました。

気鋭の若手アーティストが集う、湘南・平塚の共同アトリエ。

平塚駅から海のほうへ徒歩約10分、閑静な住宅街にぽつんと佇む「1761studio」。若手アーティストが集う共同アトリエで、画家、造形作家、鍛冶屋、漆芸家、ダンサー、キュレーター、デザイナー…など、幅広いジャンルで活躍するさまざまなアーティストが集います。

訪れた日はちょうど2周年記念展示「Wind」の真っ最中。海から吹き抜ける風をテーマにした作品のほか、このギャラリーの2年間の軌跡を現すかのような代表的な作品がギャラリーに展示されています。

  • ▲ 取材時は2周年記念展示を開催

巨大な象の頭や、骸骨や手、心臓のカラフルなオブジェ、英字新聞で作られた飛行機などの模型……。芸術の心得がない私でも、思わず見入ってしまい心をぐっと惹きつけられる作品ばかりです。

当初は学生時代の仲間4人でスタートした「1761studio」も、今では13人。今回お話をお伺いした関口さんも途中から仲間に加わったといいます。「代表の岩崎も私も平塚出身で同い年でしたが、まったく繋がりがありませんでした。しかしとある個展で、知り合いを通じて互いにその存在を初めて知ることに(笑)」と、その不思議な縁を語ります。

何にもとらわれず、自由に自分をさらけ出せる自由な場。

関口さんが扱うのはタペストリー。花鳥風月を題材に色を見つけ、糸を使ってその世界を構築するといいます。「アートはやはり孤独な作業ですが、仲間がそばにいることで表現方法や発想はもちろん、そのアイデアを思いつく“脳のつくり”の違いに驚き、大きな刺激を受けますね」。

  • ▲ 壁には関口さん作のタペストリーも

また「ほかのギャラリーに展示をすると少なからず種々の制約に悩まされるのですが、ここならそういう余計なものが入らない。自分の思うままの世界を自由に表現できるのです。そこが一番のメリットですね」と共同アトリエならではの魅力を教えてくれました。

アートと平塚。その土地柄に意外な関係性が?

そんな「1761studio」が現在取り組んでいるのが『平塚地下道ミュージアム』。平塚北口地下道をアーティストたちがさまざまな作品で彩るというもの。この企画には湘南を代表するアート集団のひとつ「studio COOCA」も参加。それぞれ異なる個性が平塚の街を彩ります。

  • ▲ 取材当時は『平塚地下道ミュージアム』に出品する作品を制作中でした

しかし何故、ここ平塚に湘南を代表するようなアート集団が存在するのでしょうか。「湘南のなかでも茅ヶ崎や藤沢は色々な店やブランドがあるので商業性が高いのですが、平塚はそれほどでもない。だからこそ、はやりすたりに惑わされることなく、静かな環境の中で制作活動に没頭できる。そんな一面が平塚にはあるのかもしれませんね」(関口さん)と考察しました。

  • ▲ 外を見つめるのは、アイアンでつくった鶏

今回の2周年にあたり、初めてのアーティストのコラボによる作品制作を行ったといいます。「“アートはちょっと小難しくて崇高なもの”という思い込みもありますが、より暮らしに身近になるよう、工業的プロダクトとアートの間に位置するような作品を作りたいと思っています」と関口さん。

  • ▲ 3人のアーティストがコラボした、骸骨、心臓、手をかたどった蝋燭

人々の感性を刺激し、日常に豊かさを与えることもアートに課せられた役割。今後は平塚駅地下のアートをはじめ、市役所での作品展(10月18日~31日)、同ギャラリーでの展示(11月11日~23日)と、「1761studio」のアートに気軽に触れることができます。この機会にぜひお出かけいただき、日常に変化と刺激、そして豊かさをプラスしてみてはいかがでしょうか。

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