縁日、ぼた餅、そして壮観の纏…江ノ島界隈賑わう『龍口法難会』に行ってきました!

夜にはりーん、りーんという鈴虫の鳴き声も聞こえてくる9月の半ば、夏の残り香を感じることができる『龍口法難会(りゅうこうほうなんえ)』が行われます。

その名の通り江ノ島・龍口寺を中心に行われるこのお祭りでは、沿道には数々の屋台が立ち並び、行き交う観衆の中には浴衣を身にまとう人も。全体の一部ではありますが、特に賑わいを見せる12日夜の様子をお届けします。

今回、編集部Sは江ノ電・江ノ島駅付近からスタート。踏切を渡った先で纏を準備して待つ一団がいました。彼らはこれから龍口寺を目指して、藤沢市街から海まで続く国道467号線を進んでいきます。

さて、龍口寺への道のりには数々の屋台が並んでいました。たこ焼き、チョコバナナ、金魚すくいやスーパーボールすくいなど、どれも縁日ではおなじみのラインナップ。この年は夏らしい日があまり多くなかったこともあってか、道行く人々からは「なんか夏っぽくていいよね」といった声も。

さて、いざ龍口寺へ。『龍口法難会』はもともと法要を中心としたイベントで、12日夜と13日午前0時に法要がもたれています。ここで黒ごまのぼた餅が撒かれるのが恒例行事なのですが、これには由来があるんです。

鎌倉時代後期に日蓮宗・日蓮聖人が斬首の刑に処されることとなり、龍ノ口刑場(現・龍口寺)へと連行されたものの、江ノ島の方から差してきたまばゆい光に首斬り役人がおそれおののき、処刑が中止されました。この日蓮聖人が連行される途中に黒ごまのぼた餅が供養されており、そこから「難避けのぼた餅」として難を逃れる効力があるとされています。

ぼた餅を撒くタイミングでは多くの人々が詰めかけ、編集部Sもなかなか取れずにいたところ……心優しい方がありがたいことにおひとつ譲ってくださいました。これで私もあらゆる難から逃れることができそうです。

さてぼた餅撒きが終わると、祭り囃子の音色がだんだんと境内へ近付いてきます。子どもから大人まで様々な人々が一団を成して、纏を振ったり、太鼓や手持ちの鐘を叩いたり……非常に賑やかな時間が訪れます。

いつ、どこで聞いても心踊ってしまう祭り囃子。やっぱり自分は日本人だなぁ……と思わされる瞬間ですが、豪快かつ繊細な纏の舞いを見せる人々も注目のポイント。ぜひ一度その目で見ていただきたい、圧巻の演技です。

以上、駆け足ではありますが『龍口法難会』の様子をお届けしました。縁日を楽しむもよし、法要に参加するもよし。真夏さながらの熱気が感じられるこの催しをもって夏の終わり……と考える方も中にはいらっしゃるかと思います。『龍口法難会』は毎年行われていますので、次の機会はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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